約 3,654,286 件
https://w.atwiki.jp/nanadorakari/pages/35.html
1. その日はとても月の綺麗な夜でした。 ここはカザン近くの海辺です。 西の海へ傾いていく月を眺めながら私はぼんやりしていました。 さっきまでカザンの酒場で、いつもの通りみんなとお酒を飲んできたところです。 すっかり酔った私は、夜風にでも当たりながらのんびりしたいと思って酒場を抜け出してきたのでした。 今日は少し飲みすぎました。 だんだんと頭がぼんやりしてきて気持ち良いような… だんだんと胃から内容物が逆流してくる感覚が気持ち悪いような…。 今日は月が綺麗なので、もうさっさとその辺りの岩影にでも胃の中身を吐いて、月明かりを浴びながら寝てしまおうと思いました。 思っていた以上に飲んでいたようです。 ぼんやりしているうちに、かなり酔いがまわったようで目がまわります。 私はよろよろと立ち上がり杖で身体を支え、大きな岩の方へ向かいました。 さぁ、吐くぞ〜っ…。 …しかし、胃の内容物は喉の辺りからゆっくりと胃へ戻っていきます。 まわっていた目もすっかり元通り、頭も急にスッキリしました。 それは、私の目の前のもののせいです。 それは一人の少女でした。 その少女は私が吐こうとしてた岩の影で横になっていました。 少女がこんな時間にこんなところで寝ているのも去ることながら、少女はお腹から血を流していました。 少女のお腹の辺りの砂は、すっかり血が染み込んで赤黒く染まっています。 …私は医者です、ヒーラーです。 こんな大怪我してる少女を放っておけませんでした。 「大丈夫っ!?」 私は少女の頬をぺちぺち叩き、服をめくりあげてみます。 ざっくりと切れた少女のお腹「いや、じゃないの。このままじゃ死んじゃうわよ」 私はささっと応急処置をしてあげました。 それから少女を抱えてカザンへ歩き始めました。 2. 私はカザンの診療所に少女を届けました。 それからふらふらとギルドハウスへ戻ります。 「ただいま…」 もう、みんな寝たかな?…と音を立てないように扉を開けます。 返ってきたのは「おかえり〜」という元気な声。 見ればハルカラちゃんがお酒を片手に手をぱたぱた振っています。 その足元にはモモメノちゃんが痙攣を起こしながら倒れていました。 酒場でさんざん飲んで来たのに、また飲み直していたようです。 私はしっぽを振りながら近づいて来たポチをもしゃもしゃ撫でてから、テーブルの上の水差しを取ります。 「途中でいなくなっちゃって、どこに行ってたのかにゃ?」 ホッケをつつきながらハルカちゃんが言います。 私は水をぐっと一飲み。 お水美味しい。 「海まで、夜風に当たりに行ってたの」 「にゃい。戻って来ないから心配してたんだよ、にゃい」 「ごめんね」 ホッケをつつきながらハルカちゃんが言いました。 そっか、心配してくれてたんだ…。 勝手に出てきて悪いことしたなぁ。 「ところで」 ハルカちゃんがホッケを置きました。 「誰か抱えて街に入って来たけど、あれは一体だれなのかにゃ? にゃい」 いつの間にか見られていたようです。 ハルカちゃんのルシェ耳はよく聞こえるそうなので、私の足音がギルドハウスを通りすぎて行くのに気づいたのでしょう。 ハルカちゃんは私の答えを待たずに、再びホッケをはもはもし始めました。 「海の方で女の子が大怪我をしていたの。診療所まで運んでから帰って来たのよ」 「そうだったんだ、にゃい。もっちゃんは良い子だねぇ、にゃい」 ハルカちゃんはにゃはははとご機嫌に笑いました。 私は「おやすみなさい」と言って寝室へ向かいます。 モモちゃんはまだ痙攣中です。 「にゃい。もう寝るのかにゃ? 話し相手になってよー…にゃい」 ハルカちゃんが少し寂しそうでしたが、私はもう寝ます。 ニアラを討伐、そして裏ダンジョン攻略…。 …あれから一年半。 しばらくの間は英雄だとちやほやしてもらっていましたが、さすがに今では平和過ぎてかえって暇なのでした。 世界各地のダンジョンも全て回り尽くしたおかげで、新しい冒険はありません。 おかげで私達は毎日、酒場に入り浸る日々を過ごしていました。 4. 朝です。 私がお茶を沸かしていると、みどりさん(ナイト)が帰ってきました。 剣や盾を置いて、ガチャガチャと鎧を脱いでいます。 真面目なみどりさんはドラゴンがいなくなった後も、毎日早朝特訓を欠かしません。 「ドラゴンがいなくなったからって、みんな怠けすぎよ」 みどりさんが言いました。 「みどりさんはいつも頑張りますね」 「それはそうよ。私は姫を守らなきゃならないんだから…。…ああ、姫、姫っ! ああ〜…可愛い…姫、可愛いなぁ…」 みどりさんはモモちゃんが大好きです。 その守るべき主人であるモモちゃんは、昨夜と同じ場所で痙攣していますが。 私は卵をフライパンに落としながら言います。 「とりあえず、朝ごはんにしますね。ハルカちゃんを起こしてきてもらえますか?」 「わかったわ。ところで姫はどこに行ったんだろう?」 足元で痙攣しているモモちゃんに気付かないまま、みどりさんは寝室へ入って行きました。 やがて、寝巻のままのハルカちゃんが目をこすりながら「にゃい、おはよう…」と顔を出しました。 椅子に座って「にゃわわゎゎ…」と眠そうにあくびをしています。 そんなハルカちゃんの前に目玉焼きを置きます。 ハルカちゃんは眠い目をこすりながら、いつものように目玉焼きを指でつまみます。 そのまま口に持っていって、とろける黄身と固まりかけた黄身の合わさる味覚に「ふにゃ〜…」と至福の一時を味わうのです。 …まあ、今日は残念ながら途中で黄身が潰れてしまい、少し涙目でみゃうみゃう泣いていますが。 「姫っ、いつまでも痙攣していないで。朝食ですよ」 みどりさんがモモちゃんを椅子に座らせました。 モモちゃんはテーブルに突っ伏し、「気持ち悪いよぅ、頭が痛いよぅ…」と元気がありません。 ハルカちゃんに相当飲まされたようです。 「そうだ。朝食が済んだら私、出掛けてくるね」 私は言いました。 みんなが「どこへ行くの?」と言っていますが、内緒です。 やっぱり、関わってしまったからには気になるんです。 昨夜の女の子はどうしただろう。 6. 眩しい朝日の中、私はわっせわっせと診療所へ向かって歩いています。 にぎやかなカザンの大通りですが、やっぱり朝だと人もまばらです。 酔ったまま道で寝ていた人も目を覚まし、街の出口へゆっくり歩いて行きます。 宿屋の前では数人集まって本日の行動を確認しているギルドの姿。 どうやら新人ギルドのようで初々しいです。 そんなみんなが朝日に負けないくらい眩しく輝いて見えたのでした。 …今の酒場に入り浸りの私達とはえらい違いです。 それはさておき、私は診療所までやって来ました。 コンコンと扉を叩いて中へ入ります。 「おはようございます」 「あら、モルさん。おはようございます」 「あのー、昨夜の女の子は…?」 お医者さんはにっこり笑い「大丈夫ですよ」と言いました。 「今はよく眠ってるから、お話したいのでしたらお昼過ぎが良いわね」 「いえ、大丈夫かなぁ…って気になってただけですので。大丈夫なら安心しました。彼女によろしくお伝えください。ではー」 私はぺこりんとお辞儀をしてから診療所を後にしました。 7. 診療所からの帰り道。 ふらふらとした足取りで歩いていたモモちゃんを見つけました。 どこへ行くのか聞いてみると「ウサちゃんの足が取れちゃった…」と、白い糸を買いに行く途中とのこと。 私も一緒について行き、糸を買うついでに雑貨屋さんを見てまわったり、露店で売っているお菓子を買ったりしながらギルドハウスへ帰りました。 ハルカちゃんは自分の剣をふーふーしながら磨いています。 そして私達を見るなり、ふんかふんかと鼻を鳴らします。 「あー、ずるいっ。二人して何か美味しいもの食べてきたでしょ。にゃい」 「鼻が良いわね」 「僕もついて行けば良かったな。にゃい」 「わかったわ、お昼の用意するから」 私は台所に向かいます。 何もない、いつも通りの日。 …私は思っていたことをポツリと言いました。 「ねぇ、ハルカちゃんとモモちゃん」 「にゃい。何かな? にゃい」 「たまには何か依頼でも受けて来ない? 毎日ご飯食べて、お酒飲んで、寝るだけじゃ…さすがに堕落するだけだと思うの」 ハルカちゃんは「にゃはは」と笑いました。 「良いよ良いよ。たまには身体動かさなくちゃね、にゃい」 「…うう、私は家にいたい…」 8. 午後。 私達はクエストオフィスで一件依頼をもらいました。 もう暗くなり始めていたので、その足でギルドハウスとは反対の方へ足を進めます。 私達はいつもの酒場、六花亭へやって来ました。 これからお酒を飲みながら久しぶりの依頼達成の為の会議です。 お酒を飲みながら、というのが、いかにもだれてますけど。 「いらっしゃい、ゆっくりしていってね!」 ウェイトレスのかりゆさんが、いつもの席へ案内してくれます。 私達はワイワイと席につき、ビールとエビフライを二皿注文しました。 「あとホッケ」 ハルカちゃん、ホッケ好きだなぁ。 先にビールが運ばれてきたので、みんなで乾杯をしてから依頼書に目を通します。 『最近、バロリオン大森林に凶暴なモンスターが出るので退治してほしい』 これはミロスよりの公式な依頼…というよりミッションでした。 ハルカちゃんは「にゃい。楽勝楽勝、にゃい」と余裕です。 モモちゃんは「…おうちかえりたい…」と涙ぽろぽろ。 …そこへエビフライが運ばれてきました。 二皿とも数本ずつエビフライが減っていますが…まぁ、いつものことです。 私が至高のエビフライを一本つまみ、口に入れようした時でした。 9. 「モルさん、いますか?」 声のする方を見てみれば、診療所のお医者さんが階段のところでキョロキョロしていました。 私はエビフライをさっくりと一口かじってからパタパタと手を振ります。 お医者さんは私を見つけて近寄ってきました。 「ごめんね、せっかく楽しんでいるところを」 「いえ、まだ飲み始めたばかりですから。ところで、わざわざ私を探しに来るなんて何の用です?」 ホッケが運ばれてきました。 ハルカちゃんは「にゃいにゃい!」と嬉しそうに騒いでいます。 それを横目に見ながらお医者さんが言いました。 「昨夜、貴女が運んできた女の子なんだけど」 「…何かあったんですか? 急に容態が悪くなったとか?」 「大丈夫、回復に向かっているから。その彼女がね、どうしても貴女に会いたいって言うの」 「私に?」 …さぁ、どうしよう。 私は放っておけなくて助けただけだし、回復に向かっているなら安心して元通りの他人同士になろうかと思っていたのに。 ハルカちゃんはホッケをはもはもしながら「行っておいでよ、にゃい」とニコニコ。 モモちゃんはお酒を煽りながら涙をぽろぽろ流していて、たぶん話なんか聞いてなかったでしょう。 10. 夜になって、カザンは昼よりもにぎわっていました。 その日の手柄を自慢し合う人達、遠くから初めてカザンにやって来て目を輝かせている新人冒険者…。 そんな人達でにぎわう大通りから外れて診療所の前までやって来ました。 お医者さんが扉を開けて、私を中へ促します。 中へ入ってみると、ベッドの上に昨夜の女の子がちょこんと座っていました。 私は笑顔で近づきます。 「こんばんは。もう起き上がって大丈夫なの?」 女の子はにっこりして頷きます。 それから「ありがとう」と言いました。 「どういたしまして。あんな大怪我して、一体何があったの?」 女の子は何も言いません。 言いたくないのを無理に言わせるのも可哀想です。 私は話題を変えました。 「あなた、お名前は?」 「…」 「お名前…」 「…」 …名乗ってくれません。 名前も教えてくれないなんて。 すると女の子はもぞもぞと言いました。 「…名前なんて無いの」 「名前が無いの…?」 「うん…」 さぁ、困った。 よほど複雑な事情の子を拾ってしまったようです。 「ずっとこんな感じなんですよ。名前も無いって言うし、どこから来たのかもわからないって…」 11. 「それで悪いんだけどね…しばらくこの子を預かってもらえないかしら?」 「えっ!?」 「貴女達のところなら安心だし、なによりこの子が貴女になついてるみたいだから」 いつの間にか女の子は私のスカートをつかんでいました。 ぎゅっと握りしめていて離してくれません。 「…仕方ないかぁ。これも何かの縁ね」 私はしばらく、この女の子を預かることにしました。 …さすがにこの子を連れて六花亭へ戻るわけにもいかないし、ギルドハウスへ帰ろうかしら。 するとそこへ、ちょうど日々の野外鍛練から戻ってきたみどりさんとすれ違いました。 「あ、みどりさん。おかえりなさい」 「ただいま…あれあれ、どうしたの? 可愛い子を連れて…」 12. 「にゃい、かりゆさん。この子にジュースとホッケね。にゃい」 …結局、この子が一緒に行きたいと言うので六花亭まで戻ってきてしまいました。 ハルカちゃんはずいぶん気に入ったらしく、さっきから女の子を離しません。 みんな、この子をしばらく預かることを快諾してくれました。 今日は帰ったらお布団用意しないとなぁ。 「ほらほら、ホッケばかりじゃ飽きるわよ。はい、エビフライ。美味しいよ」 かりゆさんが女の子の前にエビフライの皿を置きました。 ついでに一本つまんで去って行きます…。 「それにしても、この子は何て呼べば良いの?」 みどりさんが言います。 …確かに、名前が無いと不便です。 「にゃい。じゃあホッケちゃんにしよう。にゃい」 「モルさんになついてるんだからミニモルさんにしよう」 「え」 ハルカちゃんが出してた案を華麗にスルーして、みどりさんが勝手に決めてしまいました。 何だかミニモルだと恥ずかしいので、せめてミニモちゃんと呼ぶことにしました。 「にゃい。モモちゃん、遠慮してないでホッケどうぞ。にゃい」 「うう…もうホッケは飽きたよぅ…」 ハルカちゃんは今日もモモちゃんを潰す気です。 13. 深夜のギルドハウス。 今日はお酒をほどほどにしておいた私は、みどりさんと一緒にハルカちゃんとモモちゃんを運んできました。 「にゃい。まだのめるよ…にゃい」 「ダメ。自分で歩けないくらい酔ってるんだからダメ」 「にゃい。ホッケ…」 「うぅ…もうやだ…鬱…」 「姫もさっさと寝てくださいっ!」 私達は二人を寝かしつけ、ソファーに腰かけます。 ミニモちゃんは私の横にちょこんと座りました。 「あなたももう寝なきゃ」 「ううん、眠くない」 ミニモちゃんはにっこりと笑いました。 私とみどりさんは「やれやれ」と笑い合い、「眠くなったら、私のベッドに来なさい」と言っておきました。 「ところでモルさん。この子は昨日、すごい怪我してたんでしょう? こんなに連れ回して良かったの?」 「うん、私も最初はおとなしくさせようとしたんだけど…。お腹の傷が広がらないか、見てみたの。そうしたら…」 「そうしたら?」 「…お腹の傷が、綺麗に無くなっていたの。跡すら無くて、まるで最初から怪我なんかしていなかったように…」 もちろん驚きました。 きっとお医者さんも「この子はただの女の子じゃない…」と知り、私に預けたのかもしれません。 14. 朝。 私がもぞもぞと目を覚ますと、横にはミニモちゃんが寝ていました。 昨夜は私とみどりさんが寝ようとしてた時でも「眠くない」と言ってた起きていたので心配でしたが。 私がリビングへ行くと、あんなに酔い潰れていたハルカちゃんがピンピンしています。 剣の整備をしていました。 「にゃい。もっちゃん、おはよう。にゃい」 「おはよう…早いんだねぇ…」 「にゃい。今日からミロスへ出発だからね、武器も整えておかないと。にゃい」 私はいつものようにお茶を沸かして、フライパンに卵を落とします。 ずっと続いてきた、何も変わらない朝の光景は今日から数日間お別れです。 私達は昨日受けた依頼を片付けに、早速久しぶりの旅に出るんです。 「カザンから離れるのなんて、いつ以来だろうね」 「にゃ~に。さっさと用を済ませて帰ってきて、かりゆさんとこでお酒とホッケ。にゃい」 「ずいぶん余裕ねぇ」 そうしているうちにみどりさんが早朝訓練から帰り、モモちゃんも「行きたくない…手首切りたい…」と起きてきました。 行きたくない割にはしっかり荷物をまとめて準備万端なのが可愛いです。 「さぁて…ご飯だし、ミニモちゃんも起こさないと…」 15. 「むにゃむにゃ…」 ミニモちゃんを起こして来たのは良いんですが、かなり眠そうです。 だから早く寝なさい、って言ったのに。 「眠くなかったの…」 「眠くなくても寝なきゃダメよ」 みどりさんがミニモちゃんをわっしゃわっしゃと撫でて言います。 「お布団に入って羊さんを数えていれば自然と眠くなるわ」 「にゃい。羊かぁー…食べたいなぁ、にゃい」 「ちゃんと朝食は食べようね。目が覚めないわよ」 ここでミニモちゃんが目玉焼きをわし掴みにして、みどりさんに「ハルカラさんのマネしないで、フォークを使いなさい」と注意されています。 フォークを持たされるものの、手付きがぎこちない…。 そういえば昨日もエビフライやホッケを手づかみで食べてたなぁ…。 もしかしたらフォークとか使ったことがないのかもしれません。 「ミニモちゃん。私達、今日から数日間留守にするから、その間は自由にこの家を使ってね。帰ってきたらフォークの使い方を練習しましょう」 私は言いました。 するとミニモちゃんはふるふると頭を横に振ります。 「わ、わたしも一緒に行くよ…」 「ダメよ、危ないもん」 「でもー…」 …困ったなぁ、どうしよう。 16. 昼過ぎ。 私達はカザンとミロスをつなぐ橋を渡っていました。 「これなら夕方には到着するわね」 モモちゃんと手をつないだみどりさんが言いました。 モモちゃんはみどりさんから離れようとしません。 仲が良くて微笑ましいです。 「にゃい。もっちゃん、お昼だね。お腹空いたよ、にゃい」 「それじゃあ、お昼にしましょうか…」 ちょうど良い木陰を見つけ、そこにみんな腰を降ろします。 私はカバンからサンドイッチを出してみんなに配りました。 「にゃい。ホッケが良かったなぁ…にゃい」 「このホッケねこ!」 いつものようにワイワイしながら食べます。 私達を眺めながらミニモちゃんも「おいしい」とサンドイッチを食べていました。 …そう、結局は連れてきてしまいました。 「一緒に行きたい…」とスカートを離してくれなかったので。 「本当は心配だったんでしょ? 母性本能だわね」 「にゃい」 みどりさんやハルカちゃんがニマニマ微笑んでいます。 …まぁいいか。 日頃から何かと鬱なモモちゃんも、ミニモちゃんと一緒にいると和むようです。 「…ぅぅ、ミニモちゃんの前では手首切らないよ…」 それは良かった。 お昼を済ませ、すぐ出発しました。 久しぶりの遠出ということもあり、みんな少しはしゃいでいるようでした。 ミロスに到着し、宿を取ります。 みどりさんとモモちゃんで一部屋、私とハルカちゃんとミニモちゃんで一部屋を取りました。 その30分後、夕飯に行く約束をしといたので、私はみどりさんとモモちゃんを呼びに行きました。 「みどりさーん」 「ぅぅ、ミニモちゃんと一緒の部屋が良かったよぅ…ぅぅ…(さくさくさくさく)」 「姫っ……ぁあ…っ! ひめっ……ひめぇっっ! …んっ…んんぅっ(くちゅくちゅ)」 部屋を開けてみればモモちゃんがリストカット、みどりさんがそれを見ながら自慰にふけっていました。 私の後ろからそれを見たミニモちゃんは恥ずかしそうに目を伏せました。 すでに見慣れている私は二人に「ご飯に行くから早く準備して」と言って扉を閉めました。 素晴らしい騎士と姫の主従関係です。 …ただ、普段は真面目なみどりさんだけに、ミニモちゃんが受けた精神的ショックは意外と大きかったでしょうね。 そして夕飯を済ませた私達は、さすがに今日は飲み過ぎず、おとなしくベッドに入りました。
https://w.atwiki.jp/7d2020/pages/96.html
男性M:黒田崇矢 ※以下ネタばれを含みます 男性M:黒田崇矢 汎用台詞 サムライスキル トリックスタースキル デストロイヤースキル サイキックスキル ハッカースキル コメント欄 汎用台詞 上へ キャラクター登録時 「この力、試してみよう」 勝利時 「随分と腑抜けているな」「鍛え方が足りん」「慢心はするなよ」 退却時 「構っていられん」 対ドラゴン戦 「ふむ、大した獲物だ」「龍が如きに負けはせん」 対帝竜戦 「己の命運を恨め」「因果応報というものだ」 イベント勝利時 「退いてもらおうか」(首都高戦)「仁義を忘れた者の末路だ」(人竜戦)「この道…押し通したぞ」(真竜戦)「拳で…語るか…」(人類戦士戦) レベルアップ時 「悪くは無いな」「切磋琢磨は怠るな」 パーティー加入 「ではゆくぞ」 室内 「呼んだか?」(通常)「なぜだ…!」(悲)「よいものだ…」(喜)「どうかしたか?」(照) 料理 「俺にやれと!?」→「何事も集中力だ」 スカイラウンジ サムライスキル 上へ 通常攻撃 「むん!」「せいや!」 エグゾースト 旋風巻き 「疾風(ハヤテ)!」 金翅鳥王旋風 袈裟斬り 「剛烈!」 力閂オロシ 「靡け!」「叩き割る!」 トンボ斬り 「薙ぎ倒す!」 影無し 「青嵐!」 収刀の紡ぎ 「静謐の型!」 崩し払い 「」「昏倒せい!」 モミジ討ち 「」「悪く思うな!」 フブキ討ち 「」「」 不動居 「受身をとっておけ」 風林重ね 「案ずることは無い」→「」 十六手詰め 抜刀の紡ぎ 「修羅の型」 修羅の貫付け 「注意が足りん!」 刃下のリアクト 「全力を見せい!」 練気手当 「練丹」 赤化の呼気 「覇気充填」 黒鋼の呼気 「豪気補填」 丹田法の訓 乱れ散々桜 トリックスタースキル 上へ 通常攻撃(短剣) 「そぉうらっ!」「食らえぇ!」 通常攻撃(銃) 「どうだっ!」「ふんっ!」 エグゾースト 「ふうぅん!!」 タランテラ 「姿勢を正せ!」 スコルピオ 「動くと危険だ」 ヴァンパイア 「血肉を貰う・・・」 フルムーンヴァンプ 「どいてろ」→「己の身となす」 ベノムアンプリフ 「どいてろ」→「容赦は出来ん」 アサシンアイズ 「刮目・・・」 ベノムフェティシュ 「運も尽きたな…!」 ラッシュショット 「どいてろ」→「目を逸らすなよ」 エイミングショット 「どいてろ」→「一点集中…」 ダンシングバレット 「ぬぅうんっ!」→「大いに穿て!」 ジャンプショット 「ぬぅうんっ!」→「追い立てろ!」 ハイディング 「気配を消すぞ」 ブッシュトラップ 「どいてろ」→「何をしている」 チーターマン 「手を休めるな」 アサシンズリアクト 「止められるものか」 エスケイプスタンス 「ここは身を引け」 トリックハンド 「やればできる」 サクリファイス 「この命、惜しくはない…」 狂咲きバッドヘヴン 「手段は選ばん」「貴様を獲るのが俺の役目だ」「絶頂だ!」「せめてすぐに仕留めてやる」 デストロイヤースキル 上へ 通常攻撃 「たぁ!」「ふぬぁあー!」 エグゾースト 「ぬうぅん!」 正拳突き 「ぬうぅん!」→「唸れぇい!」 デストロイチャージ 「そこか。いいだろう」 ジャブ 「轟けぇい!」 ダブルフック 「応!」→「砕くのみだ!」 スピネイジブロウ 「ぬうぅん!」→「甘ったれるな!」 釣瓶マッハ 「たぁ!たぁ!完膚無きまで!」 クインテッタ 「応!」→「南無三!」 ドリルクロウラー 「応!」→「情けはかけん」 迎撃スタンス 「不足無しだ」→「たぁ!」 迎撃スタンス・重式 「来ぉい!」→「たぁ!」 オトシ前上等! 「鉄拳制裁!」 牙折る也 「俺の目を見ろ」→「そこのけぇーい!」 爪砕く也 「ただ受け止める」→「そこのけぇーい!」 吹裂く也 「とるに足らんな」→「そこのけぇーい!」 凶転ず也 「何を恐れる」→「そこのけぇーい!」 怒りの重爆 「ぬぅぅぅ!」→「釣りはいらんぞ!」 デストロイリアクト 「己を磨く」 先制デストロイ 「ためらいは無い」 瀕死のド根性 「背水の陣だ」 パリングシールド 「敵をよく見ろ!」 スカイハイメテオ 「必殺技だ」「ううーりゃあー!」「ふっ」「ぬぅぅぅ!」「無限の彼方より、見参」「終いだ!」 サイキックスキル 上へ 通常攻撃 「しゃあ!」「とぉりゃあ」 エグゾースト 「はぁぁ!」 フレイム 「劫炎」 イフリートベーン 「はぁぁ!」→「塵も残さん!」 ヒートボディ 「炎壁よ!」 フリーズ 「砕氷!」 アイシクルエデン 「はぁぁ!」→「氷柱よ射貫け!」 ゼロ℃ボディ 「氷壁よ」 エレキ 「迸(はし)れぃ!」 ボルトアヴェンジ 「はぁぁ!」→「轟け雷鳴!」 プラズマジェイル 「手荒にいくぞ!」 デコイミラー 「見抜けはしまい」 半径50mの支配者 「覇道は我に!」 マイクロバースト 「一矢報いる!」→「耐えられるか!」 マナフローター 「節制を説け」 コンセントレート 「力を……!」 キュア 「死に急ぐな」 リカヴァ 「一矢報いる!」→「医者の代わりだ」 リザレクション 「一矢報いる!」→「さあ、立ち上がれ」 デッドマンズリアクト 「はぁぁ!」→「万事了解」 魔力の湧水 「油断したか!」→「よい巡りだ」 オートリカヴァ 「一矢報いる!」→「手当てが要るな」 黒のインヴェイジョン 「奈落へ落ちろ」「黒の御手よ」「絡め取れ!」「失せろ!」「閻魔さんに詫びてこい」 ハッカースキル 上へ 通常攻撃 「でいや」「ぬーん」 エグゾースト 「いやぁぁ!」 アタックゲイン 「剛を以て突き通す」 ディフェンスゲイン 「柔を以て堪え抜く」 リジェネレーター 「焦りは禁物だ」 119ナノマシン 「いやぁぁ!」→「敵はまだ目の前だぞ」 Bデータイレイザー 「いやぁぁ!」→「邪気を祓うぞ」 ファイアブレイク 「一切の熱きを通さん」 アイスブレイク 「寒かろうが衰えん」 Aスキルコーラー 「いやぁぁ!」→「手助けが必要か?」 ハッキングワン 「従ってもらう」 ハッキングゼム 「一網打尽だ!」 マッドストライフ.x 「喧嘩を買うな」 スケイプゴート.x 「活気を頂く」 ロストパワー.x 「分を弁えろ!」 バッドインバリッド 「いやぁぁ!」→「災難の相だ」 スリープオール 「いやぁぁ!」→「うなされていろ」 カースオール 「いやぁぁ!」→「痛んでしまえ」 ハッキングリアクト 「いやぁぁ!」→「機を待つのみ」 リアクターチアー 「いやぁぁ!」→「往け。はだかる者は無い」 クイックハック 「瞠目せよ!」 サバゲーナレッジ 「いやぁぁ!」→「油断は命取りになる」 禁断の秘技 「稀代の名機よ!」「己が渇望に、いま応えん」「退けい!」「伝説が今始まる」 コメント欄 対ドラゴン戦 「ふむ、大した獲物だ」←この場合は「獲物(※狩り・戦闘等の成果。戦利品)」よりも、「得物(※武器の意味)」の方が意味が通る気がするんだけど、どうだろうか。 -- 名無しさん (2011-12-21 01 55 36) トリスタスキル タランテラが「姿勢を正せ」 ヴァンパイアが「血肉を貰う」 アサシンアイズが「刮目…」だったかと…聞き取り間違いありましたらすみませんm(__)m -- 名無しさん (2012-02-05 18 40 40) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/nanadorakari/pages/53.html
固有名詞一覧 ナムナ ケモ耳サムライ♀ ジェリコ 本作の語り手。エルフ耳ヒーラー♂ (名前は公式ちびキャラトークより) 前半エロ無しなので『俺はエロだけ読みたいんだよ!』という方はスルーよろしく。 読まなくても全然問題ない内容です。 「突然すまない! 実は、宿屋を探してるんだけど道に迷ってしまったんだ。 あたいカザン初めてでね……こんなに広いとは思わなかった。 もしよかったら 宿屋まで案内してくれないか?」 彼女の第一声がそれだった。 道案内の相手に私を選んだのに多分深い意味はなかったのだろう。 ただ、おそらく 私がルシェで 彼女もルシェで、 声をかけやすかった――と、まあ、それがおそらく最大の理由だろう。 「ええ、私が宿泊している宿でよければ、ご案内しますよ」 「ホントに?! ありがとな!」 私と同族であることを示す、ルシェの女性に特有の獣耳。 それが道に迷った不安からか、さっきまではくたっと伏せていたのだが 私が『案内する』といったとたんにピンと立った。 ふむ、素直でよろしいかわいらしい。 「ジェリコです」 「あたいはナムナ」 名乗りあったあと、彼女と連れ立って歩きつつ、上から下までじっくり彼女を視姦する。 しかし残念。かなりのストライクゾーン外だ。 後、2,3年すればいい線行くかもしれないが、今はまだまだ発展途上。 乳や尻の張りがぜんぜん足りない。それにどうにも言動が子供っぽい。 おそらくまだ、一度も発情期を迎えていないのだろう。 しかし奇妙なのは彼女の服。 なんともけしからん格好である。うん、実にけしからん。 体のラインがぴっちりと浮かび上がる黒い全身タイツはフェチ度満点。 ナムナの体の起伏がもーちょっとあったら、私の理性はまともに働いていないだろう。 さらに、その上からハンテンとか言うアイゼンの民族衣装に身を包んだそのクラスは―― 「えーと、サムライ……でしたっけ、その格好?」 「お! よく知ってるねー!」 「いや、カザンだとたまーに見かけますんでね」 とはいえ女の子、それも同族であるルシェのサムライというのは始めて見た。 まあ、ルシェは戦闘民族だ。 流派は違えどダンビラぶん回して魔物をぶった切る女の子そのものは珍しくも何ともない。 「ふーん、そっかー、カザンはサムライ仲間も多いんだー」 「まあ、にぎやかな街ですからね、サムライに限らずいろいろごった煮ですよ」 雑談しながら歩くうちにやがては宿に到着し、ナムナのチェックインの手続きを手伝ったあと、 私は色町へと遊びに出かけた。いやほら、もーちょっとで落とせそうな子がいたモンでね。 ♂♀ ――と、まあ、それが大体一週間ほど前の話。 「ジェリコ! 朝ご飯いこう、朝ご飯!」 困った。 なんだかすっかりナムナに懐かれてしまった。 「すみません……さっき研究を終わらせたところで床についたばかりなんです。 悪いんですけど、食事は一人でいってもらえませんか?」 勘弁してほしい。 娼館のおねーちゃんと明け方までしっぽりで、今の今からようやく寝れるんだから。 ちなみに何の研究って、そりゃ君、女体の研究に決まってる。 「もー! ジェリコは生活が不規則すぎるぞ! 健康な一日はちゃんとした朝食から始まるんだからな!」 知ってる。こう見えても一応ヒーラーだから、健康関係の知識は一通り。 まあ、知ってるからって知識を遵守できるかってそういうものでもないけどね。 結局、寝床から無理やり引き出されて(さすがはサムライ。小さくても腕力では私よりずっと上だ)、 宿の食堂でオートミールなんぞををつつくはめになったのであった。ああ、ベッドが恋しい。 「ジェリコはさー、何でカザンにきたんだい?」 言いつつ、ナムナは骨付き肉にかぶりつく。朝から肉とかよく食うなぁ。 「『知識』を求めて、ですかね」 「知識って言うと本とか?」 「書物で得られる知識も重要ですが、こういう大きな町では多くの人々と 直接触れ合うことでいろんな経験がつめることも楽しく思いますね」 世界は広い。 ルシェの女はたいそう愛らしいが、男としてそれ以外の種族の女性に興味を持って何の不都合があろうか。 特に、マレアイアの歌姫達とはぜひとも一戦お願いしたいところである。 ……まあ、それだけが国から逃げた理由でもないのだが。 「あは! わかるよそれ。あたいもこうしてジェリコとお話してると楽しいよ!」 「ええ、こちらも楽しいです」 これはお世辞ではなく本当に。 感情表現の豊かな子だから、くるくる変わる表情を見てるだけでたいへん面白い。 「えへへへ……」照れ笑いの顔がかわいい。 「そう言うナムナはどうしてカザンに?」 ……と、会話の流れで同じ質問をぶつけてみたのだが、なにやら言いづらそうにしている。 「どうかしましたか?」 「あっ、あのさぁ……出会ったばかりのあんたに、 こんなこと頼むの気が引けるんだけどさ、ひとつお願いしたい仕事があるんだ」 「……? 私もそんな腕の立つほうじゃありませんから、できる事と出来ない事がありますよ」 「あっ、そう言う荒事じゃなくってさ、 実は……あたい、カザンには家を飛び出した妹を探しに来たんだ」 「ははぁ、なるほど。人探しでしたか」 「最初はあたい一人でもどうにかなると思ったんだけど、 この街、すっごく広くてさ……」 「一人では手におえない、と」 「うん……」 うなだれると同時に頭の耳がしゅんとなる。 「あの馬鹿娘……『ハントマンになります』ってだけ書き置きしていきなりいなくなって……」 読めてきた。 ルシェの女は(と、言うか男も)血の気溢れるやつが多い。 その妹さんとやらは武者修行感覚で冒険者のメッカであるカザンにやってきたのだろう。 ちなみに私はルシェとしては例外。喧嘩とかぜんぜんダメ。 「まあ、私も暇といえば暇ですし、お手伝いさせてもらいますよ」 身体はちんちくりんとはいえ、ナムナも一応、女の子は女の子。 女の頼みを無碍に断るほど、私の男はすたっちゃいない(喧嘩はダメだが)。 「ホントに?! ありがとジェリコ!」 ナムナの耳がぴくりと定位置に戻る。ヘタったり立ったり、忙しい。 安請け合いの何とやら。 この時は『冒険者とかギルドオフィスで張ってりゃすぐ見つかるだろ』と、 思っていたのだが、数日後には後悔するはめになったのであった。 ♂♀ 「妹さん、見つかりませんねー……」 「いないねー……」 さらに一週間後。 私たちはカザン郊外で途方にくれていた。 このあたりは一面、美しくも不気味な花が咲き乱れている。 フロワロの群生地だ。 「妹さんの話はさて置いて、今は目の前の仕事に集中しましょう。まずは先立つものですよ」 「うん……ごめんなジェリコ。こんなことにもつき合わせちゃって」 「いや、実は私も金欠気味だったんでちょうどよかったです」 こんな所で私たちが何をやってるかといえば、フロワロ刈りである。 一定量以上のフロワロを刈ってカザンの大統領府に持っていくと、 こづかい銭程度のお金になるのである。 「都会は暮らしていくだけでも結構お金がかかるんだねえ……」 妹さんを探すうちに、ついにナムナの路銀がつきそうになったのだ。 そこで急遽ギルドオフィスからこの仕事を回してもらったというわけで。 「宿暮らしですからなおさらですね……」 私もまあ、ヒーラーとしての仕事はそこそこあるんだけど、 ちょっと最近きれいなおねーちゃんのいる店で遊びすぎちゃってね、うん。 「でも……冒険者が集まるカザン周辺ですらこれなんだから、他の国とかどうなってるんだろう」 ナムナは咲き狂うフロワロを見渡して、うんざりした顔をする。 「……特に、ウチの国のトップは頭カタイの多いですからねえ。ホント大丈夫なんでしょうか」 ナムナも私もネバンプレス出身だった。 ネバンプレスはルシェの帝国。 『ヒト』に迫害されたルシェ族が、追いに追われてたどり着いた西の果ての大陸に建国したそこは、 『ヒト』に対抗するため兵力を高めに高め、いまや地上最強の軍事国家へと変貌した。 そーゆー歴史の経緯から、正直な所『ヒト』の国と連携をとってドラゴンに相対できるとはとても思えない。 そして頭の固い連中はある意味まだマシで、『柔軟な発想』を持った一派が本気でタチ悪い。 ――だってあいつら竜族の軍事転用を考えてんだもん。 実は私もかつてはその手の研究チームに居たのだが、いろいろ付き合いきれなくなって逃げ出したのだった。 いやしかし、カザンに着てよかった。本当によかった。女の子の平均レベルが高い高い。 「……ジェリコー? どうしたんだ、手ぇ止めちゃって?」 いけない、ボケーっとしていたらしい。ナムナが心配そうに顔を覗き込んできていた。 「失礼。少し疲れまして」 実際フロワロの花粉でだいぶ体力を削られてる。リカヴァを発動し、解毒した。 「ナムナ。貴女もそろそろリカヴァしましょうか?」 「平気。あたいはまだ頑張れるよ」 「『まだいける』は『もう危ない』です。フロワロの花毒を甘く見ちゃいけませんよ」 「あははっ、ジェリコは心配性だなー、毒消しあるから大丈夫だってー!」 ナムナはパタパターっと駆け出して、ざくざくとフロワロに刃を振るう作業を再開する。 やれやれ、元気な子だ。私はナムナの後に続いて刈り取ったフロワロを袋詰めにしていく。 異常なまでに繁殖力の強いフロワロは、刈ってもほったらかしにしておくと、 再び切り落とした花や茎から根を張るのだ。そうでなくとも、私たちが今日刈った範囲などは 三日もすれば、フロワロが生い茂った元通りの花畑に戻ってしまうだろう。 まったく、ハントマンの務めは不毛である。 ――そして、だいたいそのあたりで異常に気がついた。 ナムナの耳がたれてる。顔が赤い。ふらふらしてる。 いわんこっちゃない。どうみても毒にやられてる。 ぽけーっとしてるナムナに近づき、今度は私が彼女の顔を覗き込む。 「……あれ? ジェリコ?」目の焦点が合ってない。 「『あれ?』じゃありませんよ、まったく。辛いなら早く言ってください」 「うん、ごめん……」 あわててナムナにリカヴァし、キュアする。 ……おかしい、回復の兆しが見えない。何か突然変異したフロワロの新たな毒なのだろうか? まずいな。 熱を測ろうとしてナムナのおでこに手を伸ばしたそのとき―― 「……い、いやぁっ!!」 ――バシッと、その手をはねのけられた。 「……っと、失礼。女の子にいきなり触るのはマナー違反ですよね」 いけない。ナムナがなんかおびえてる。 まいったね、グラマラスな女性ならともかく、今のは下心はなかったのに。 「こ、こっちこそ、ごめん……ジェリコ。あたい、なんかびっくりしちゃって」 息も荒い。どうやら相当悪いな、これは。 「体温を診たいだけなんですけどかまいませんね?」 「……えぇと、う……うん。が、がまんするよ……」 『我慢する』て。 なんか地味にショックだ。そこまで私に触られるのが嫌なのか。 別に私はロリコンじゃないんだけどなぁ……。 ともかくナムナの額にそっと手を添える。 熱い。 やはり良くないな。 しかしどうも、私に触れられるのは本気でこたえるらしく、 ナムナはぶるぶると身体を震わせて何かをこらえている。……やれやれ、嫌われちゃったかな。 「帰りましょう、ナムナ。歩けますか?」 私のスキルが効果を発揮しない以上、街で治療するしかないだろう。 「……うん……どうにか」 「よければ肩を貸しますよ」 「え、ええええっ! い、いらないっ! いいよぉっ!!」 そんな激しく拒絶しないでくれよぉ。おじさんだって傷つくんだぞ、そう言うの。 ♂♀ 街までが、近くて、遠い。 少し歩いてはナムナを休ませ、少し歩いては休ませる。 「はぁ……はぁ……」 ナムナの乱れた呼吸がいまやはっきり聞こえる。我々ルシェは耳がいいからなおさらだ。 「ナムナ、そろそろ休みますか?」 「……んん、あたいは大丈夫……大丈夫だよ……」 大丈夫なわけない。今にもぶっ倒れそうじゃないか。 「あのね、ナムナ。私の何が気に入らないのか知りませんけど、 せめて手を引くぐらいはさせてもらえませんか?」 いやまあ、嫌われるのに色々と思い当たるフシはあるが。 朝は弱いし、女の移り香を漂わせたまま街中うろついてるし。 二週間も付き合ってりゃ、そろそろ私がどんな男かバレてるころだろう。積極的に隠すつもりもないんだが。 「あ……違うんだ…ジェリコ…そんなんじゃなくって……」 「違う……?」 うーん、嫌われてるわけじゃない……のか? 「気に入らないとかじゃなくて……むしろ、あたいの事、色々助けてくれて感謝してるし……」 「じゃあ、なぜなんです……?」 「わかんない……なんかジェリコに触られるとヘンになっちゃいそうで――きゃぁっ!」 「あぶないっ!」 際どいタイミングだがナムナの身体を支えるのに間に合った。 ナムナはもうちょっとで木の根に足を引っ掛けてすっ転ぶ所だった。 熱に浮かされてる上に、会話に気をとられていたからだろう。 「大丈夫ですか? どこかひねっちゃいませんか?」 抱きかかえたナムナの身体が思いのほか『女の子』していて多少どぎまぎする。 いかんいかん、沈まれ心臓。 「あ、あ、あ、ジェリコ……」 精神統一失敗。 こちらを見上げてきたナムナの上気した顔がかわいすぎる。 ダメだぞ、流されるな私。相手は病人だぞ。子供だぞ。 しかし困った。ナムナの様子がおかしい。 いや、さっきからおかしいんだが、今の今、一気に悪化した感じなのだ。 身体はぶるぶると振るえ、顔は真っ赤に染まった。 そういえば、ナムナの身体から独特の匂いが立ち上っている。 はて、コレはどこかで嗅いだ記憶があるんだが―― ――と、つらつら考えていた思考がまとまる前に、 「ごめん、ジェリコ」 興奮した肉食獣のようにふーっ、ふーっと息を荒げたナムナに唐突に押し倒されていた。 いやまて、これがさっきまでぶっ倒れそうだった女の力か?! 「何すんですか、ナム――」 文句をいい終わる前にキスされた。 唇を唇にぐりっ、ぐりっとねじ込むように押し付けてくるものだから、正直、かなり痛い。 「ごめんね、ジェリコ……」 息継ぎのタイミングでナムナがまた一言詫び、そしてまた唇を押し付けてくる。 サムライの馬鹿力でねじ込んでくるものだから、肉がつぶれ骨がひしゃげるんじゃないかと錯覚するほどだ。 そのころになると、痛みで逆に頭は冷静になってきて、異常の原因の当たりがついた。 ――ナムナは発情してる。 ようやく思い出した。ナムナの身体から発してる匂いはルシェの♀に特有の発情香だ。 ルシェは獣としての特質を強くもつ者が多い。 だいたい秋口から冬にかけて身体が子作りのための準備を始め――まあ、その、サカるわけだ。 個人差はあるが♀ならだいたい初潮から3~5年ほど経過して、 完全に女としての身体が成熟したころに初の発情期を迎えるのが普通だ。 とはいえ、ここ数百年でだいぶ獣の血も薄れたらしいので、 誰にも彼にも発情期が発現するわけでもないのだが。 幸いに私も血の薄いほうらしく、コレまでの人生で発情期に悩まされた経験はない。 発情期に悩む女の子のお相手を務めたことなら多々あるけどね。 やがて、疲れたのか、飽きたのか、拷問じみた長い接吻がようやく終わり、 「どうしよう、あたい、ヘンになっちゃったよぉ……」 ナムナはぽろぽろと泣き始め、私の頬にも涙滴が零れる。 「ナムナ……」 「か、身体がじんじんして……急にジェリコにキスとかしたくなって…… だけど、わかんない……こっからどうしたらいいかわかんないよぉっ!」 対して私の方はだいたいわかってきた。 こりゃ沸き起こる性衝動に知識のほうが追いついてないんだな。 子供っぽいとは思っていたが、キス以上の性的な行動を知らないと言うわけだ。 とりあえず、落ち着かせるために押し倒してきたナムナの身体をそのまま抱きしめる。 「――ふぁ、あ、ジェリコ」 ナムナ、あんまり変な声を出さないで、こっちの理性が飛んじゃう。 「ナムナ。気をしっかり持って」 「え……う、うん」 ナムナも、ぎゅ、と私を抱きしめかえしてくる。ごめん痛いちょっとは手加減して。 ただ、おかげで少しは落ち着いたのか、ナムナの涙が止まった。 「よく聞いて。たぶん、ヘンなのは発情期が来ちゃったからですよ」 「はつじょうき……?」 ぐは。言葉の意味から教えなきゃならんレベルか。 女の子は女の子のコミュニティでそう言う知識を教えあうわけだが、 ナムナはまだ、教えてもらえる年齢にすら達してなかったと言うわけか。 「あー、ナムナは今、身体が大人になりつつあるというか……」 「えっとね、お赤飯なら……もう、炊いたよ……」 「ルシェの女の子はその後にもう一段階あるんですよ……」 ――そして、かいつまんでサカりについて説明し 「身体が赤ちゃん作る準備って……そんな、あたい、まだ……」 「落ち着いて。落ち着いて、ナムナ。 今の貴女は突然身体が大人になってちょっと混乱してるだけですから」 っていうか、見るからにまだまだ身体も子供だ。盛りを迎えるには早すぎる。 「……え、えぇ、うん」 「それに今は春だし、そもそも盛りの季節じゃないんですよ。何でまた……」 「フロワロ」 「――え?」 「フロワロ、だと思う。あたい達がさっき刈ってた時何本か色がヘンなのがあって。 それを切ったら、花粉がババーっと出て、それを吸ってから、なんか、ぽーっとなってきて……」 「……結局フロワロでしたか」 発情を誘発するタイプの花毒ならキュアもリカヴァも利かなかったのも納得がいく。 要注意事項として、大統領府に報告しておかなきゃ。 「……でも、あたい……どうしよう、こんなの」 「うーん……」 ホントにどうしたものか。 盛りを抑える薬もあるんだが、ンなもん本国でしか手に入らない。 ……と、なると、方法なんてひとつしかないわけだが。 「……ねぇ、ジェリコは……大人だから、どうしたらいいかわかる……んだよね?」 潤んだ瞳で見られてどきりとする。 さっきまでナムナは確かにおぼこい『少女』だった。 それがこの妖艶な表情はどうだ。今やこの子は自分が『雌』であることを急速に自覚しつつある。 「そりゃまあ、その……わかり、ますけど」 結局、何度かイカせて、身体を満足させてあげるしかないワケだが…… 相手は子供だぞ。ロリだぞ。どうすんだよ私。 そして私の覚悟が決まる間もなく、ナムナの顔がずい、と迫ってきて、 「じゃあさ、おしえて、ジェリコ……」 抱き合ったまま、またもやキスされた。 今度はさっきのような暴力的な口付けじゃない。 不慣れながらも、男を誘う、柔らかで暖かな、女の子のキスだ。 私は人様よりは数多くの女性と関係してる部類に入ると思うが、その私ですらが思う。 女は魔物だ、と。 ♂♀ 「……と、まあ、今のが大人のキスです」 「ん……はぁ、キスも……こんな、きもち、いいんだね……」 まずい。すっかり流されつつある。舌入れてキスのお返しをしてしまった。 って言うかここフィールドだぞ、モンスターがきたらどうすんだよ。 まあ、やむを得ない。 治療行為の一環としてナムナにはこのまま気持ちよくなってもらっちゃおう。 「ね……今度はあたいにさせて」 「はぁ、まあ……」 断れよ、私! 手っ取り早く可愛がってあげて、眠らせちゃうしかないだろ、こんなの! ……と、理性の叫びはあるのだが、ナムナの小さな唇から差し出された舌に吸い付いていると、 だんだんそーゆー事がどーでも良くなってきてですね。 「きゃ……べろ吸っちゃヤダよぉ……」 「おいしいですよ、ナムナの舌は」 「ジェリコのばか……」 「じゃあ、今度は舌と舌で舐めあいっこなんてどうです?」 「え……う、うん」 素直に応じたナムナに口付けたまま、じっくりと舌と舌を絡めあう。 ナムナは最初のうちは零れ落ちる唾液を飲むのに抵抗があったようだが、 そのうち、こくりこくりと喉を鳴らして嚥下し始めた。 うんうん若い子は物覚えが良くてよろしい……じゃ、ないだろ私! いけない、このままじゃロリコン一直線だ。 「あは……ジェリコの、飲んじゃった……」 念のために言っておくと飲ませたのは白濁液じゃない。唾液ね。唾液。 ――だけどそのセリフの破壊力は強烈過ぎるんだよ、ナムナ。 「おいしかったですか?」 「んん? 味とかしなかったよ?」 この辺、機微がわかってないと言うか、まだまだ子供だなぁ。 「ナムナのは美味しかったですよ。いくらでも飲める感じで」 「ばかぁ……」 照れて怒りながらもどこか嬉しそうな表情をする。 コレでナムナも相手の体液を『美味しい』って言って飲んだら喜んでもらえることを 学習しただろう――って、何でそんなマニアックな調教をしてるんだ、私は! 「ジェリコ……コレで終わりじゃないんだよね……?」 「ふふ、ナムナは勉強熱心ですね」 いよいよキスまでしか知らなかったお子様にキス以上のことを教えてあげるときが来た。 ……と、いっても、せっかく彼女もルシェに生まれたんだから、ルシェにしか味わえない 秘密のスポットを堪能してもらおう――あくまでも治療の一環として、だぞ。 いったん地面にあぐらをかき、赤ん坊をあやすかのようにナムナを抱きかかえる。 「えへへへ……、なんだかどきどきする」 彼女がいくら知識不足とはいえ、胸とかその他局部を触られるのだ……という程度には、 おぼろげながらも想像がついてるだろうし、今の今、その覚悟を決めてる最中だろう。 だが残念。 「――ふぁっ! あぁ、あ、ああぁっ! やっ、ダメっ、耳ダメっ!!」 責めるのは可愛い可愛い耳でした。 「何でダメなんですか、ナムナ。こんなに可愛い声で鳴いてくれてるのに」 「ジェリコのいじわるぅ……や、あっ、ヤだって、言ってるの……にいぃっ!」 大きくてふわふわの耳の後ろをくりくりとまさぐってあげる。ルシェの女は特にここが弱い。 「ふあぁあぁ……、やぁなのぉ……あたい、のーみそ、とけちゃいそうだよぉ……」 耳のみならず全身を震わせて反応する。感度良いね。 「じゃあ、もっと、とろけさせてあげますね」 唾液を絡めながら、耳のふちをなめ上げていき、時々甘噛み。 「にー! にー! にー! にー!」 「ふふ、どうしたんです、そんな赤ちゃんみたいな泣きかたして」 ……と、言葉でいじめつつも、内心ちょっと焦ってた。やばい、感じさせすぎてナムナが退行起こしかけてる。 ルシェの耳責めは『脳にクる』子が多いのだ――治すんじゃなくて壊してどうすんだよ、私。 とりあえずキスしてごまかしておく。 ナムナの舌と唇はもうすっかりディープキスになじんでいた。 そればかりか、ナムナはすっかり応用までうまくなっていて、 私の頬や首筋までねっとりと舐め上げてくる。 もちろんこっちもお返し。 二人の顔がすっかりべとべとになったころ、我を取り戻したナムナに文句をいわれた。 「……ジェリコのばか。あたまおかしくなっちゃいそうだったぞ」 「いや、ごめんなさい、あんまりナムナが可愛かったからやりすぎちゃいまして」 「えへへへ……かわいい? あたいかわいい?」 可愛いと言うだけで一発で機嫌が直る。安上がりで良いなあ、この子。 「ええ、とってもかわいいですよ――ここもね」 「ひぁあぁっ!!」 覚悟を決めさせるとつまらないので奇襲しておく。責めるはおっぱい。 タイツの上からやわやわとさすると、ナムナはとっても可愛い声で鳴いてくれた。 「は、恥ずかしいよぉ……あたい、貧弱、だし」 「大丈夫、ちゃあんと女の子のからだですよ」 「えへへへ……」 さっきまでの責めでお子様ながらも身体が出来上がりつつあるのだろう、 乳首が勃って、身を包む黒い全身タイツを内側からつんつんと押し上げていた。 むう、コレは私も初体験の光景だ。 だれだよ、サムライのユニフォームをこの格好に制定した奴。本気で感動しちゃったじゃないか。 ――いや、だから感動とかしてる場合か! 治療だから、コレ。 ち・りょ・う。 「ふあっ……あぁ、あぁ……」 「痛くないですか、ナムナ?」 「だいじょぶ」 おっぱいが発展途上だと芯が残ってるので痛がる子も多いが、どうやらナムナは問題ないようだった。 「ではナムナ、きもちいいですか?」 「……えと、その……わかんない」 わかんなくはないだろ? 嘘はいけない。 オトナはそう言うのちゃぁんと分かるんですからね。 「じゃあ今から分かるようにしてあげますね」 「わかるようにって……ジェリコ、なにを………っあ! あぁ! ふあぁぁっ!!」 オーソドックスに乳首責め。 既に浮き出ていた乳首をつまみ、痛みを感じない程度に押しつぶせば、たちまちナムナは大鳴きする。 「わかりましたか? きもちいい?」 「うぅ…知らない……そんなの」 ナムナ、いけないいけない。そう言う強情な態度が男をいじめっ子にするんだ。 ――ここはオトナとしてそーゆーのを教えてやらなきゃいけないだろう。 「んうぅっ! ジェリコのばかっ! やぁぁ……ぁ、あ! 舐めちゃダメぇえっ!」 気づけば、ナムナの控えめな乳房にむしゃぶりついてしまっていた。 タイツがほんのり汗の味。 「ふく……汚れちゃうだろうっ、ばかっ、ばかぁっ!!」 ああ、そうだな、汚れちゃうよね。それはオトナとしてはやってはいけないミスでした。 「気持ち良いかどうか、おしえてくれたらやめます」 そして我ながらなんという大人気ない発言。 「ううっ……ばかぁ……………ちぃいよ」 「んん? 何か言いましたか?」 「気持ち良いって言ったの!!」 言って、羞恥心が限界に達したのか、顔を両手でおおいかくしてイヤイヤをする。 「ごめんね、ナムナ。恥ずかしかったですか?」 「は、恥ずかしいに決まってるじゃないかぁ……」 「じゃあ、お詫びに今から――もっともっと気持ちよくしてあげますね」 ついでにもっともっと恥ずかしくなっちゃうだろうけどね。 「もっとって……ん! ぁあ! やぁ、そこ……いやぁ!!」 新たに手を伸ばしたそこは、すでに湿っていた。 もちろん、女の子の一番大事なところである。 「んぅ…いやぁ……やぁなのぉ……!」 「大丈夫ですよ。そのうち嫌じゃなくなってきますから」 私が汚すまでもなく、内側からにじみだす分泌液がタイツをとろとろにしていってる。 まさぐるほどに、指とタイツがじんわりと愛液に濡れていった。 「わかりますか、ナムナ。おまたがくちゅくちゅ言ってるのが」 「……な、なにこれぇ! んぁ……ぁあ…どうなってるのぉ!」 「女の子はね、えっちな気持ちになってくると、おまたからエッチなおもらししちゃうんです」 「そんなぁ…あたい……あたい……ヘンになっちゃったよぉ」 「ヘンじゃないです、コレで正常。ナムナはちゃんとした女の子ですよ」 「……ホントに?」 「本当、本当。大人はみんなやってることです」 「……何でこんな風になるの?」 「それは……その……」 ミスった。気づかれたくない所に気づかれてしまった。 膣への陰茎の挿入を潤滑にするため、とはいえない。最後まで教えてしまったら―― ――この状況でこの年頃の子ならヤりたがるだろう。この辺、男も女もあまり関係ない。 だが挿入はまずい。 発情してるってことは排卵も促されてるだろうわけで、相当高い確率で孕ませてしまう。 だいたい子供に挿れたらロリコンだ。 「女の子がエッチな気持ちになってることを、男の子に教えるためです」 やむなく、次善だと思われる回答でごまかしておく。 「そうなんだ……」 「そーなんです」 「じゃあさ……男の子はどうなるの?」 「……え?」 やばい。それはやばい。 「男の子は、えっちぃ気持ちになると、どうなるの? やっぱりおまたがヘンになるの?」 あああああっ! 今一番気づかれたくないことをっ!! 「……ちょ、ナムナっ!」 「だめ……今度はあたいがジェリコをいじめるんだから」 (性的)好奇心いっぱいになったナムナは再び私を押し倒す。はねのけようにもビクともしない。 うわぁ、女の子に腕力でかなわないって情けなさ過ぎる……やはりちょっとは鍛えよう。 「あー、そっかぁ、男の子は……」 そしてもちろん私の身体の変化には気づかれてしまったわけで。 「……おっきくなるんだね。あそこが」 「まぁ……そういうことです」 み、認めざるを得まいっ! 子供の身体で興奮してしまったことをっ! でもね、違うんだ。私はロリコンじゃないんだ……そう、きっとアレだ! 私もフロワロの媚毒にやられてしまったからなんだ、きっとそーだ! そーに違いない! 「……ジェリコ、見ていい?」 「ナムナ……何を……」って、そりゃまあこの流れだったら。 「うっ、うわぁ……すっごぃ……!!」 あのねナムナ。 いきなりジッパーおろして引っ張り出すのはやめてもらえません? 使い込みすぎて色も形も可愛げありませんけど、大事な一人息子なんで。 「こんな風に……なるんだ。おっきい」 「はっきり言います。ナムナのすけべぇ」 「……ち、ちがうもん、あたいがすけべぇなワケじゃないもん、フロワロのせいだもん」 ええい、さっきの私の思考とおんなじ様なことを。 「だから、フロワロのせいで……ヘンになっちゃったから…ジェリコにえっちなこと、したい」 ナムナはごくりとつばを飲み、おずおずと、私の欲望の分身に手を伸ばしてくる。 「すご、こんな熱いんだ……」 そしてやわやわとなでさすり始めた。 「うっ…ナ、ナムナ……お、お願いだから……う、ううっ……」 「えへへへ……ジェリコかわいー。声がかわいくなってるよ」 うん、ごめんナムナ。 実は今の喘ぎ声は演技だから。 ベッドの上で自分を装うのは女だけの専売特許じゃないんでね。いやここ地面の上だけど。 君にはまだまだテクニックもスピードも足りない。 だけどまあ今だけは『男を感じさせてる優越感』に酔うといい……って、やばっ! ちょっとうまくなり始めてるよこの子! 「あれ、ジェリコ。先っちょからぬるぬるしたお汁が出てきたよ。 ――これって、女の子と一緒で気持ちよくなってる証拠だよね?」 「え、ええまあ、その……」 「やったー!」 さ、さ、先走りがでちゃうぐらいはしょうがないだろっ?! テクそのものはへったくそだけど、年端も行かない女の子にペニスを握らせてる 背徳感が極上のスパイスになってだね――って、それはロリコンの思考だぞ、私! 「……ね、ジェリコ。ここにキスされたら嬉しい?」 「べ、べ、別に嬉しくなんか……ない、です」 「えへへー、うそつきジェリコ。嬉しいくせにっ! えいっ、キスしちゃえっ!」 ――ああ、やはり女は魔物だ。 フェラチオなんて教えてもいないのに、この子は本能的に男の喜ぶ方法に気がついてる。 フロワロの媚毒の影響があるのはわかるとしても、コレがついさっきまでは 『濡れる』という概念すら知らなかった子供なんだから、恐れ入る。 「あは……ヘンな味ぃ……」 ナムナは臆した風もなく、私の愚息にちゅ、ちゅ、とついばむようなキスを繰り返し、 やがては桃色の舌を突き出してぺろりと舐めたり、 小さなお口を開いて咥えこもうと(デカイから無理無理)試したりしてきて……。 ――ああもう、理性の限界だ。 しんぼうたまら……たま、たま…… ―――――――――――――――――――――――― ( 、,, " 、 ~〈/ ) い ロ た 〃 <、 い リ ま ~そ ,) よ コ に 、_ ,, / 、,ゝ===く , ヽ ね ン は `V 、_γ `ヾ,_ < ! も l く( γ⌒ヽ ) く, ~v,ん ´ =; ,=ニ `/l/!/⌒Y l ゝ===イ ´ ゙ 、m,.. ,ゞ ´ " ~ ヘ ―――――――――――――――――――――――― ついに、私の中のバックベアード様から許可が出た。 ナムナ、君に教えてあげよう。 女が魔物なら、 男は獣だってことをね。 ダメだぞナムナ。 サムライともあろうものが私の愚息と戯れるのに夢中になって隙だらけだぞ。 「ふぁあっ! やぁ、だめぇ……! みみっ、耳だめって……いった、のにいっ!!」 弱点はさっき調査済みだ。 やわらかい耳を可愛がってあげれば、途端にナムナの身体からはくたくたと力が抜けていく。 すっかり骨抜きになった所で、足を割り開き、ナムナの股座に向かって顔を近づけていく。 「……やぁ、ジェリコ、何する……んだよぉ」 「もちろん、さっきのキスのお返しですよ」 眼前のそこは、タイツの内側から溢れるエッチなおつゆでもうすっかりベタベタだ。 そして、布の一枚外から割れ目に食らい付き、愛液を吸い上げる。 「――やぁぁっ! あ、あああっ!」 んー、いい声いい声。 熟した大人のそれと比べると、ナムナの愛液はちょっと酸味が強い。 ぴりぴりとした刺激を楽しみながら、清水のごとく湧き出るそれで喉を潤す。 「やぁぁぁ……、だめぇ、ジェリコ…そんなの飲んじゃだめぇ……」 「とっても美味しいですよ。ナムナの自身の味ですから」 「美味しくってもだめなのぉ……」 みれば、内からタイツを押し上げてぷっくりとクリトリスが浮き上がってた。 迷わず指でくりくりとつまんで、いじめてあげる。 「あ、あ、あ、あぁぁぁあああっ!!」 あー、ちょっとお子様には刺激が強すぎたかな? 仕方ないので指の変わりに舌でつん、つん、とつつく柔らかい攻めへと変化させる。 「あ、あぁ……あ、じぇ、じぇりこぉ…じぇりこぉ……」 うんうん。今度は強すぎず弱すぎず、いい感じでナムナの理性がぶっ飛んでいってる。 ナムナ。今キミはとってもやらしい顔してるんだよ。 鏡がないからキミ自身にみせてあげられないのが残念だけどね。 そして染み出る淫水の味が濃くなり始めてる。コレはそろそろ…… 「じぇ、じぇりこぉ……あたいっ、あたいっ、こ、怖いよぉっ!」 「ナムナ。怖がらずにそのまま素直に感じて。もうちょっとだから」 「いや、あぁあ、いやうぅあぁぁあっ! ヘンにっ、ヘンになっちゃうっ!!」 そりゃそうだ。ヘンにしてあげてるんだもん。 えい、そしてトドメだ。 「あぁ、あぁあぁぁっ! なんかダメっ! ダメっ、だめぇええええっ!!」 タイツを押し込むようにして、外から膣口にぐい、と指をねじ込んであげると ナムナは足をピーンと突っ張らせた後、とうとう動かなくなった。 ♂♀ カザン郊外。 お天道様もまだ高いうちから、幼いルシェの身体にむしゃぶりつく外道が一人。 いやまあ、私の事なんだが。 まったく他人に見られたら通報されても文句の言えない光景である。 ……そういえば、街に近いのに人の気配がまったくしないな、この辺り。 ――ああ、しかし、ナムナはなんと愛らしい。 今までの私の女性観が間違っていたと言わざるを得まい。 そう……大きいおっぱいも、小さいおっぱいも、おっぱいは等しくおっぱい。 それらは平等にかわいがり、愛すべき存在だったのに、 ――私はそうとも気づかず大きなものばかりを偏愛していた。 巨乳至上主義者だった昨日までの自分を、今はただ、深く恥じ入るばかりである。 やはり人間は一生勉強の連続だ。 そして、それを教えてくれたナムナには感謝せねばならない。 ――だから、お礼にもっと可愛がってあげなきゃ。 「んっ……ぁあ……」 ナムナの意識はトんでしまってるが、ぐったりした身体をまさぐったり舐めたりするほどに、 小さく喘いで反応し、やがて―― 「ふぁ……ジェリコぉ……?」こっちの世界へ帰ってきた。 「おはようございます、ナムナ」 「んん……おはよージェリコ……あたい、なんかヘンな夢見ちゃ……ふあっ! ふあぁぁっ!!」 目覚まし代わりの一撃に、タイツ越しにかるーく乳首をつまんであげた。 残念ナムナ。 夢じゃなくって余裕で現実でした。 「さっきは可愛かったですよ」 「あ、あぁ、あぁ……ジェリコ……あたい、あたい……」 一気に状況を把握しつつあるのだろう。 羞恥のせいか口をぱくぱくさせるだけで、まともに言葉が出てこないようだ。 「どうです、初めてイッちゃった感想は?」 「…………イッちゃう?」 あー、そりゃそうか。言葉の意味は知らないよね。 その反応、ウブくて大変によろしい。 「イクって言うのは、えっちな気持ちよさが頂点に達することです」 理解がおよんだナムナの顔がますます赤くなる。 「あ、あうぅうう……ジェリコのばかぁ…あたい、あの時、 ヘンになるからイヤって言ったのに……何で止めてくれなかったんだよぉ……」 「本当にイヤでした?」 「……うー」 ちなみに今も左手はナムナのちっちゃなおっぱい(ちっぱい)の感触をやわやわ味わい続けている。 コレに抵抗してない……いや、恥じ入りながらも身を任せてるって時点で答えは明白だ。 「言いづらいみたいですね。じゃあ質問を変えましょうか」 「んぅ……?」 「まだまだアレの続きがあります。ナムナさえ良ければ……お教えしますよ?」 「え、え……えぇ、えと、えと、えーと……」 今、ナムナの小さな頭の中では、理性とか肉欲とか羞恥心とか性的好奇心とかそーゆーものが 争いあっているのだろう。表情はくるくると変化し、大きな耳はぱたぱたと立ったり座ったり。 「ジェリコの好きにしていいよ……」 そして出した答えは男の子への判断丸投げ……に見せかけた肯定のお返事。 うんうん、わかるよその気持ち。えっちな事には興味あるけど、自分から『したい』って言えないもんねー。 だけどね、そんな言いかたしたら、男って生き物はほんっとーに好きにしちゃうんだぞ? 「それでは、今日の所はやめちゃいましょうか。ナムナもお疲れみたいですし」 私もつくづく酷い男だな。 念のため言っとくと、もちろん全然やめる気はない。愚息ももうギンギンだし。 「え、ええっ……」ナムナの耳が一気にしゅーんとなる。 一度イカせてあげたからだろう。 ナムナの顔からさっきまではあったメスっぽさが抜けて、元通りの子供っぽい雰囲気が戻りつつある。 その、半ば正気になったナムナの口からやらしいことがしたい、と、言わせたいなーって。 「ごめんなさい。私も調子に乗りすぎちゃいました。ナムナがそんな嫌がってるとは思わなく……」 と、私が『謝罪のふり』を言い終わる前に、 「い、イヤじゃなかったよっ!!」 おお。来た来た。 「ジェ、ジェリコがあたいの体さわるの……は、恥ずかしいけど…気持ち、よかったし……、だから……」 しかし、そこが限界だったようで、口をつぐんでしまった。 これ以上いじめちゃ流石にかわいそうだ。 「わかりました。じゃ……続けちゃいますよ?」 「う、うんっ……!!」 元気いっぱいの返事を返してきたナムナの唇を、そのままキスしてふさぐ。 さすがに子供は順応が早い。私が舌を差し出すより早く、ナムナの舌が私の唇をこじ開けて侵入してきた。 「んぅ……ぁ、あぁっ……」 子供相手にやられてばかりはいられない。 私の唾液とナムナの愛液でどろどろになってたタイツの股間部分を再びこね回す。 ナムナは気づいてるだろうか。 自分がくいくいと腰を動かして私の指をより深く味わおうとしていることに。 声は子供で、だけど反応はすっかり大人で。その嬌声に私の情欲までますます高められていく。 そして、互いが互いの口内をたっぷり味わいあった後。 「ナムナ、ひとつお願いがあるんですけど」 「…あぁ…んぅ……え、なぁに、ジェリコ?」 「私も気持ちよくなりたい。ナムナの身体を使わせてもらってかまいませんか?」 「……え? えぇ?」 「二人いっしょに気持ちよくなる方法があるんです」 「あたいと、ジェリコと……ふたりで?」 「ええ、大人はみんなやってることです。どうです、登っちゃいませんか、大人の階段を」 ナムナは、はにかみながらもこっくりとうなずいてくれた。 ……ああ、ついに。 ネバンプレスの父さん、母さん、ごめんなさい。 いろんな女の子を泣かせてきましたが、遂にわたくし、 年端もいかないような女の子に手ェ出す鬼畜に身を落としてしまいそうです。 ……いや、流石にね、子供に挿れるのはどうかなーって、自分でも思うんですよ? コレでもすっごく悩んだんですよ。15秒ぐらい。 だけどほら、私の中のマリーが『中に出すのがダメなら外に出せば良いじゃない』って応援してくれたので、 いっぺんぐらいはチャレンジしておこうかなーって、ね。 ナムナをばんざいさせてハンテンを脱がし、今や私たちのいろんな体液でべたべたになった 黒い全身タイツをしげしげと眺めて、そこではた、と気がついた。 ――このタイツってどうやって脱がすんですか?! ぐは。 女性の着衣の脱がせ方で悩むのなんて何年ぶりだろうか。 ナムナに脱衣法を聞いてもよいのだが、ここまでぴっちり首から下を覆い包むものは相当時間がかかるだろう。 だからって破るのは論外。 着替えはないし、そもそもこのタイツかなりの防刃性能がありそうだ。私程度の力ではとてもとても。 ああもう、だれだよサムライのユニフォームをこの格好に制定した奴。さっき感動して損した。 こんな格好でお外で突然エッチしたくなった時どーしろっていうんだ。機能性ってものを考えろ。 「……ジェリコ、どうしたの?」 ナムナが不安げに私の顔をのぞいてくる。 むう、ちんたらしてらんない。せっかく身体を準備させたのに、このままではお互い萎えてしまう。 思い、悩み、そこで妙案が浮かんだ。 ――よろしい。ならばスマタだ! 「ナムナ。今から私のおちんちんをナムナのおまたに挟みこんでこすりたいと思います」 「おちん……」言いかけてナムナは口をつぐむ。 あ、ナムナも流石にその単語は知ってるんだね、よかったよかった。 性器を示すスラングを知らない子を淫語責めしても、面白くも何ともないし。 「ジェリコ……ホントのホントにみんなそんな事してるの?」 むう、いい勘してる。確かにあまり一般的なプレイとはいえまいが、ここで引かれちゃちょっと困る。 「ええ、(風俗店などでは)ごく普通の行為です」 我ながらよく言う。 女の子をだまくらかすときは、にっこり笑顔で相手の目をまっすぐ見る事。 スケコマシの基本テクニックである。子供相手でもその辺は手を抜かない。 「そうなんだ……」 「むしろ今提案したのはソフトな部類に入ります。もっともっとすごいことも大人はやってるんですけどね。 ナムナは初めてだから、やさしいところから慣らしていこうと思いまして」 さっき子供にハメようと考えてた男のどの口が言うか。 しかし考えてみりゃ面白いものである。性器同士を完全に結合させる 『よりハードなプレイ』の方が世間様では一般的なのだから。 「お互いの一番気持ちいいところ同士でこすりあって、私がナムナを気持ちよく、 ナムナが私を気持ちよく……どうです、やってみたくなりません?」 ナムナはしばらく逡巡していたが、やがて、 「……したい」 はっきりと意思を告げてきた。 嗚呼、何度見ても良いものだ、女の子が自己の性欲に屈するこの瞬間は。 おそらくはこの先の光景を想像し、肉欲が高まってきたのだろう、 一度は落ち着きかけていたナムナの呼吸がはぁはぁと再び荒くなり始めてる。 さて、これ以上は待たしちゃ悪い。 「ナムナ。四つん這いになっておしりをこっちに向けてください」 「……えと……こう?」 「そうそう」 黒タイツに包まれた肉付きの薄いお尻が差し出される。 ナムナ本人は意識してない本能的な行動なのだろうが、 それはゆらりゆらりとくねって、男を誘う動きを見せていた。 肝心のおまたの部分は、淫水で濡れたタイツが張り付いて割れ目を浮き上がらせている。 「……ふぁあっ?!」 揺らめく尻たぶをつかんで固定し、痛いぐらいに怒張した私の愚息を彼女の淫裂になでつける。 そこからたっぷり溢れる天然のローションを亀頭へ、竿へと塗りつけて、これで準備完了。 「ナムナ、少しだけ足を閉じて……そう、太腿をぎゅってする感じで」 「んぅ……? こんな感じ……?」 「ええ。――ナムナ、行きますよ」 「う、うんっ……」 ナムナの閉じられた右腿と左腿そして淫裂、その三つの肉壁の中心部の無いようで在る小さな隙間に―― 「ふあぁっ……! ジェリコッ……ジェリコのがあたいに……あ、あぁぁっ!!」 ――ついに私は挿入する。 これはたまらない。 愚息を挟み込んだナムナの両腿から子供の高い体温が伝わってくる。 腰を動かせば愛液で濡れたタイツは私の亀頭にも張り付きそうになって、未体験の快感を送り込んで来た。 なんとも独特な、それでいて大人の膣内にも勝るとも劣らない性感だった。 「――っは、これは、なかなか……」 「ふぁ! あ! あぁっ……ジェリコっ! すごっ……すごすぎるよぉおっ!!」 色々とはじめてづくしな女の子なんだからもっと優しくしてやんなきゃ、とか思うものの、 あんまりにも気持ちがいいもんだから、いろいろと試したくなってしまう。 ごめんね、ナムナ。 今日だけ、今日だけロリコンだから許して。 明日から普通のスケコマシに戻るから。 ああ、それにしてもスマタというのは大正解だったかもしれない。 実際に挿れる挿れないって話になってたら、今ごろ痛いの痛くないのと大騒ぎしてる頃だろう。 「わかりますか、ナムナ? 今あなたのおまんこを私のおちんちんがごしごししてるんですよ」 その淫語に反応して、後ろを振り向いたナムナの顔はもうまっかっかに染まっていた。 「やだぁ……ジェリコ…、そんなえっちなこと言ったらやぁだぁ……」 「でも、ナムナは今、そんなエッチなことをしてるんですよ?」 「だめぇ……言うのはやぁなのぉ……」 ――などと恥ずかしがるナムナは、不器用ながらもすでに腰を使い始めている。末恐ろしい子だ。 こんなイケない子には、自身がエッチである事をよーく教育してあげなきゃ。 ナムナに悟られないよう、少しずつ、少しずつ、抽送のスピードを緩めれば、 ナムナの身体はそれを嫌って、本人すら気づかず徐々に腰の動きを激しくし、 自分の気持ちいいところを探して、割れ目を愚息にこすりつけてくる。 そして、私自身がほとんど停止したころ。 「ふぁぁぁっ…だめっ……ジェリコ……だめだよぉ、こんなのぉっ!!」 「さっきから駄目駄目って、何が駄目なんです、ナムナ?」 「……だからっ……ああぁ…そのっ、ジェリコが、えっちだからっ……!」 「ふーん、おっかしいなあ。私、今ぜんっぜん動いてませんけど?」 「……え?」 気づくまで時間がかかったんだろう。 ナムナの身体は数秒はそのまま快楽をむさぼっていたが―― 「あ、あ、あ、あ……」 ようやく状況を理解したのか、腰の動きがぴたりと止まった。 「ナムナはえっちな子ですねえ。一生懸命おまんこ私のおちんちんにこすりつけてきちゃったりして」 そして駄目押し。つくづく私もひどい男である。 「ち、違……」 「違わないですよね?」 「う、うぅ……」 「『ジェリコがえっち』ですって? どっちがえっちなんですかねえ?」 「あ、あう、あうぅうう……」 ええい。 バックで突いてちゃ今のナムナの『いい顔』が見えないじゃないか。 愚息を温かいおまたから引っこ抜くのは名残惜しくあったが、 辱めたいという欲求がそれに勝ったので、ナムナの身体を抱え上げて仰向けにひっくり返す。 「いやぁぁ……恥ずかしいよぉ……」 ナムナは顔を両手で覆い隠すのだが、指の隙間から私の愚息の元気なありさまをばっちり注視している。 ありがとう、ナムナ。お約束どおりの反応を見せてくれて。 「かわいかったですよ。ナムナがえっちな気持ちになってるところ」 「いじわる……ジェリコのいじわる……ばか、もうキライだ……」 「そりゃ残念。私、えっちな女の子は大好きなんですけど」 「え……だいすきって……」 ナムナはそこであっけにとられたような顔をして、 「ジェリコ……あたいの事、すき?」 「好きですよ」 やれやれ。条件反射だな。 この悪癖だけはどうにかしなきゃならない。 濡れ場で女の子に『好き?』と聞かれると、どうにも即答で応じてしまう。 この癖のせいで、こっぴどい目にあったことも二十回や三十回で利かないってのに。 ……ああ、しかし、今や私もすっかりロリコンだ。ナムナにすっかり情が移ってしまってる。 「じぇ、ジェリコが……すきって…すきって……すきって……」 ――あ、やばい。 またもやルシェ特有の発情香がナムナの身体から立ち上りはじめている。 「……あ、あの……ナムナ?」 「あたいもすきっ!」 すごい勢いで押し倒されました。ちゅーされました。待って、息できないよ。 「……ぷはっ…ジェリコ……えっち……したい、するよ、するからね?」 そして激しい口付けを終えた彼女の目は、なんていうか、その……イッちゃってまして。 「あ、……あの、ナ、ナムナッ?!」 体重は向こうのほうがぜんぜん軽いだろうに、力学的なポイントを抑えられてちっとも押し返せない。 ……うわ、私ってマゾっ気あったんだ。 逆レイプの体勢なのにすっごいどきどきしてる。きゃー、どうしよう。 「……おまたに、じぇりこの……おちんちんを……ふぁっ、ふあぁあっ、ふぁぁあっ!!」 そして始まる擬似騎乗位。挿れてなくてこすりつける動きだから、上下ではなく前後運動なんだが。 「ナ、ナムナッ! 痛っ……痛いんですけどっ!?」 あの、すみません、そんなに激しくされると愚息が潰れちゃいそうなんですけど。 「ごめんね……ふぁぁっ! ごめんねじぇりこ……っ!」 ああ、まずい。 なにがまずいって、愚息が痛いのがだんだん快感に変換されてきてっ…… 「き……きもちいいいよぅっ! あたいのおまんこ気持ち良いよぉおっ!」 すみません、やめてください、このシチュでそのセリフは御馳走すぎますっ! 「やぁぁ……もぅ、だめっ、だめえぇ……あたまっ、また、まっしろにっ……!」 「――っ、は……、ナムナっ! キスしましょうっ! 一緒にっ、一緒にっ!」 この私が女の子にキスをねだるなんてなんて屈辱。だけど今はそれ以外したくないっ! 「――うんっ、じぇりこっ!!」 そして、互いに互いの唇を押さえつけ、舌を絡めあい、唾液をむさぼって―― 「「―――――――――――――――――っ!!」」 多分、二人同時に達した。 ナムナの割れ目に押さえつけられた愚息がすごい勢いで射精してるのを実感する。 こんなにも長く、激しい射精は数年ぶりだろう。 ……服が、どっちのもエライ事になってるだろうが、それの処理はあとで考えよう。 しっかしまあ、ルシェの血がいくら獣の属性を持つからと言って、 今のようなケダモノそのものみたいな交わりは稀である――いや、挿れてないんだけどね。 果てに果てたナムナの身体はくたっと力が抜けて私に身を預けてくる。 かるい、ちいさい、やわらかい……そして、お日様のようにあったかい。 どうにもいとおしくなって、その身体をぎゅうと抱きしめつつ、 ナムナの髪と、そして獣耳をなでなでしていると―― ――ざ、ざ、ざ、ざ、と言う、蛇が這いずるかのような音が接近するのを私の耳が探知した。 ♂♀ 音が近づく。 いや、もう視認できるっ! 蛇のように長くそして太い胴体、申し訳程度の小さな羽(と、いっても、体格比の話である)、 人の2,3人はまとめて丸呑みできそうなデカい顎、その顎に並ぶ大剣のごとき牙、 そしてその全身をきらめく硬いウロコに包んだその生物は、人類の敵―― ――ドラゴンだ! そうか、ここは竜族の巡回ルート! 人の気配も、魔物も気配もしないと思ってたら……大物の通り道だったと言うわけだ。 ミスの中でも最低の部類だ。 情事に溺れるあまり魔物の接近を許してしまうだなんて。 その時、恐怖のあまり、『もう一発ぐらい抜いとくかー』と思ってあえて八分勃ちを維持させていた 我が愚息が血の気の引くあまりしゅるしゅるーっと縮んでいくのを自覚した。 どうする。 どうするって逃げるしかない。 いや、この接近スピードから考えて人の足で逃げ切るなんてことは―― 「ナムナ。起きて」 身支度をし、戦闘態勢を整えつつ、官能の余韻に意識のトんでいたナムナをゆすり、起こす。 大人のチョンボで子供を死なせるワケには行かない。 なんとしてでも彼女だけは逃がさなければ。 覚悟を決める。 「んぅ……ジェリコ?」 彼女の身体は愛液やら精液やらでベタベタだが、今は悠長に洗い落としてる時間がない。 とにかく、起こして走らせたい。 「竜です。逃げて、ナムナ」 「えっ……?」 「回復と防御に徹すれば、私だって数分はコイツを足止めできます、その間に、あなたは街から増援を!!」 大嘘もいいところだ。 ぶっちゃた話、最初の1分で物言わぬ肉塊になってる自信がある。 だが、サムライの脚力があれば、それだけ時間を稼げれば、彼女一人なら何とか…… だからナムナ。お願いだから逃げて。 一秒でも早く、 一歩でも遠く。 「ジェリコ、待って……」 待たせてらんない。もう、竜はほとんど目の前だ。 「安心してナムナ。大丈夫、持ちこたえてみせます」 女の子をだまくらかすときは、にっこり笑顔で相手の目をまっすぐ見る事。 スケコマシの基本テクニックである。子供相手でもその辺は手を抜かない。 ――そこだけは、今は、絶対手を抜いちゃいけない。 私が死ぬときには、痴情のもつれで後から刺されて死ぬんだろーなー、とか漠然と思っていたが、 それに比べりゃ、女の子を守って竜に殺られる……ってのは随分マシな死に様だ。 迫る竜を目前にして、恐怖よりも先に戦いへの昂揚感が全身を包むのを感じて、 『ああ、やはり私も戦闘民族ルシェだったんだなー』と苦笑する。 やれやれ、やはりもう少し鍛えておくべきだった。 ざ、ざ、ざ、ざ、ざざざっ ――来た。 見る間に竜は眼前に迫り―― 「だから待ってってば、ジェリコ」 状況を理解してるのか居ないのか、立ち上がって頭を振ったナムナは、なかなかにのんきな口調でそんなことを言う。 「ナムナっ! いい子だから逃げてください早くっ!」 「…………なんで逃げるの?」 ああああ、やばいっ! たぶん、イカせすぎてナムナの頭が覚醒してないっ! 「だからド、ドラゴンですって! 強敵ですっ! 逃げてっ、貴方だけでもっ!」 予定外の状況に、さすがに私の脳髄がパニックを起こし始めた時―― 「いや、あんなの、やっつけちゃえば良いんだろ?」 ナムナが突拍子もないことを言い出した。 「……はい?」 あの、なんておっしゃいました、ナムナ? 「だからぁ……あんな大蛇ごとき、あたい達でパパっとやっちゃえばいいじゃん」 「大蛇ごときって……」 ざ、ざざ、ざざざっ!! 「――シャァァァアアアアァッ!!」ドラゴンが、大口を開けて咆哮する。 あああ、もうっ! もめてる間に、とうとう奴が戦闘範囲にっ!! 仕方ない。ナムナを背中にかばい、構える。 馬鹿デカい竜のその眼にガンつける。目ェそらしたら、負ける、死ぬ、終わりだ。 ――が、私のそんな覚悟を無視して、 「どいて、ジェリコ」 ナムナが私の身体を押しのけようとしてくる。 「ナムナ、だから、貴女はっ――」『逃げろ』と言おうとしたのだ。したのだが……。 「ど・い・て」 めちゃくちゃドスの利いた声で『どけ』と言われて思わず性根が冷える。 『竜からそらすまい』と思っていた顔を、あえてナムナのほうに向けると、 やばいぐらい彼女の目が据わってた。 「……あの、ナムナ、さん?」 思わず『さん』付けだった。 怖かった。 眼前の竜なんか相手にならないぐらいヤバかった。 具体的に言うと、さっき通常形態に戻った愚息が、さらに全長の5分の2ぐらい縮んだね。 固まる私を押しのけて、ナムナがそのまま前に出て―― 「っていうか……このっ――ばかヘビっ!! せっかく……せっかくジェリコといい雰囲気だったのにっ!!」 ――そして、剣光一閃。 ナムナの一刀のもとに丸太ん棒のごとき竜の首が切り捨てられた。 竜は――竜の胴体は、自分がまだ死んだことに気づいていないのだろう。 暴れ、のたうち、切断面からホースのように血流が噴出した。 あたり一面に降り注ぐ文字通りの血雨を、シャワーのようにナムナと私は浴び、 「えっちで服汚しちゃって、どうしようかと思ってたけど……これでごまかせるなっ、ジェリコ♪」 真っ赤っ赤のちまみれすぷらったでそんなことを言うナムナに、 私は憔悴しながら「ええ、はい、まあ……そうですね……」と、言うのが精一杯だった。 いやはや、さっきまでの私の覚悟はなんだったんだ。 ……まあ、いいんだけどね。死なずにすんだから。 こうして私は、自分がついさっきまでいたずらしていた小さな女の子が、 ものすごい達人であると言うことを知ったのであった。 ♂♀ さて、話にはそろそろ落ちがつく。 アレからさらに一週間後。 私とナムナは結婚式に出席していた。 誰の結婚式かと言えば―― 「お、お姉ちゃん……ごめんね、せっかく会いにきてくれたのに……」 「いいさ、あたいのことなんか気にせず、幸せになるんだよっ!」 ――さんざん、探しに探したナムナの妹さんのである。 ナムナの妹と言うからには、もちろんルシェであり、頭にはぴょこんと獣耳が飛び出てる。 筋肉のつき方からすると、おそらくはファイター――いや『元』ファイターと言うべきか。 妹さんはとうの昔にハントマンを廃業し、花嫁となることを決意していたのであった。 やれやれ、ギルドオフィスなり酒場なり冒険者の立ち寄りそうなところを いくら探しても見つからなかったわけである。 「ふたりは、やめるときも、すこやかなるときも――」 そして、式が始まった。 このご時世であるから、細かいところは略式である。 儀式を執り行っているのも、正式の聖職者ではなくて、 妹さんが元所属していたギルドのヒーラーくずれだそうだ。 妹さんの旦那さんはと言えば、こちらもファイターのようであった。 幸せなはずの日に、どことなくバツが悪そうな顔をしているのは――できちゃった結婚だからだろう。 ええい、ナムナよりもさらにちっちゃい子を孕ませるだなんて、 この、ロリっ! ぺドっ! 最終日東館壁際っ!! ――と、普段ならなじってた所だろうが、今の私には彼の気持ちはよーくわかる。 おそらく。 おそらく同じだったのだ。 あの日のナムナと、私と。 フロワロによって妹さんが発情してしまい…… ……旦那さんはルシェ女の魅力に抗し切れず、思わず抱いてしまったのだろう。 今にして思うと、私も危ないところだった。 あの壇上に立って、添い遂げる誓いをしていたのは私も同じだったかもしれないのだ。 女にだらしなくて、いいかげんで、泣かすことしかできない、この私が、だ。 ただ、旦那さんと私を分けるものがあったとしたら―― ナムナと妹さんのハントマンとしてのユニフォームの違いだろう。 サムライ♀の全身タイツと、 ファイター♀のスパッツと、 脱がしやすいか、脱がせにくいか、それだけ、それだけの差だったのだ。 ――と、思索にふけっていると、隣に座っていたナムナがつんつんと肩を突付いてきて、 「ね、ね、ジェリコ……」 「何です、ナムナ?」 と、たずね返しつつも、私はナムナが言いたいことの見当がついていた。 「あたいたちもさ……、いつか、その……」 ……やっぱりね。 式場だとそーゆー気分になりやすいよねー。 つまみ食いしちゃった女の子から結婚迫られるのってコレが初めてじゃないけど、さて、どうしたものか。 「そうですね、竜どもを地上から追っ払って、エデンに平和を取り戻したら……考えてみますか」 とりあえず、達成不可能な目標を掲げて、ごまかそうとしてみたのだが―― 「ホントにっ?! じゃっ、じゃあっ! がんばろうなっ、ジェリコっ!!」 ――あの、ナムナさん。何でそんな超やる気になってるんですか? 「えーっと、ナムナ……いくらなんでも私たち二人だけじゃ……」 「わかってるって! あたいたちでギルド作ろう、ギルド! そんで強い奴らいーっぱい集めてさ――」 ――意識が遠のくのを感じる。 ドラゴン狩りの最前線のギルドに所属する事になってしまったりしたら、 せっかくこのあいだ運良く拾った命を、またもや捨ててしまうことになりかねない。 おかしいな、私はカザンで市井のヒーラーとしてちんたら生きていくつもりだったのに。 ギルド設立の夢を語るナムナの横で、 私は今まさに、人生の重要選択肢を踏み間違えたことを、激しく悔やみ、悩んでいた。 <了>
https://w.atwiki.jp/nanadorakari/pages/27.html
「ドリス大統領、それにニアラさんでしたか?ただ力任せに争うだけでは…… ゾウリムシと変わりありませんよ?私達は人間、そしてニアラさん達は私達を造った存在…… それならば、もっと知的に、平和的に、話し合いかそれに順ずるもので問題を解決するべきですわ」 カザンの東に存在するミロス連邦国……そのミロスの女王エメラダは、 未知の侵略者たる竜にも、英雄王にも臆することなく、平然とそう言ってのけた。 その発言に、名指しされた二名は僅かに眉をひそめるが、同時に思案する。 エメラダの計らいにより今この部屋には、惑星エデンの大国の主要人物全員、 そしてエデンの創造主たる真竜ニアラ、その仲間真竜ヘイズと配下の七体の竜がいた。 人間と竜……互いに、全ての駒を出した状況というわけだ。 そして人間代表、ドリス・アゴートは考える…… (いざ戦闘になったら……こちらに勝ち目はないか……そして俺はゾウリムシではない!) 竜代表、今回は早起きな真竜ニアラもまた考える…… (人間は家畜に過ぎぬ筈なのだが…このドリスという男はかなりできる。 後ろの頭に石を埋めた男もかなりの遣い手…そしてヒュプノスの生き残り…… 神体でも厳しいかもしれんな……) 「「わかった……武力行使以外の方法を模索しよう」」 二人の代表者は声を揃えて握手を交わす。その後ろでプレロマ学士長が喚いていたが。 「まあ、ものわかりがいいですね。それでこそ知的生命体です。 それでは、その方法もいまこの場で平等にクジ引きで決めてしまいましょう。 異論はありませんよね?皆さん?」 女王エメラダの言葉に、誰も異議を唱えない。いや、唱えられないでいた。 この場は何かと黒い噂の絶えないミロス、その女王謁見の間。 下手に発言をしたら、何が起こるかわからない……それ故の異議なしなのである。 「なにがでるかな?なにがでるかな?なにもでないかも~っと」 そんな状況を理解しているのかいないのか、エメラダはノリノリでクジを引く。 とてもそうは思えないが、彼女が引くクジに、この星の運命はかかっているのだ。 もし『口の大きさ勝負』なんかだったら、人間はどうあがいても竜には勝てないでしょう? 「でました!」 エメラダは……箱に手をいれてから僅か一秒でクジを選んでしまう。 本当にこの人は理解しているのだろうか?色々と。 それは人間も竜も思ったことだが、口には出さない。今はそれより、クジの内容だ。 「えーっと…まぁ!【マージャン】ですわ!」 「「なん…だと…?」」 「「……ゴクリ」」 「「……?」」 人間も竜も、実に様々な反応を見せる。 それもそうだろう、そんな博打競技が…この星の運命を決めるのだから…… 「えー…それでは人間…この星をかけたマージャンのルールを説明する」 顔を仮面で覆っているためわからないが、ニアラが何故か楽しげにルールの説明を行った。 ~エデン争奪麻雀・詳細ルール~ ルール1・人間が勝った場合はエデンは永久に人間のもの。竜が勝った場合はエデン食い付くし。 ルール2・竜側は真竜ニアラとヘイズ、そして配下の七体の竜の計9人しか戦えない。 人間側はその三倍の27人まで戦える。戦える者がいなくなった方の負け。 ルール3・戦いの最中、竜の持つ『固有能力』の発動を認める。 ルール4・戦いは竜一人に対して人間三人で挑むものとする。通しも可。 ルール5・初期点棒は50000。 ルール6・点棒が0以下になった場合、戦闘不能。人間側は戦闘不能者が出た場合、 すぐさま次の人間を参加させること。(四人いないと麻雀ができないため) ルール7・武力行使はご法度。知的に平和的にね?byエメラダ ルール8・上記を守ればあとは好きにしてよし! 「以上がルールだ。人間、並びに我が配下の諸君、理解してくれたかな?」 ニアラがルール説明を終えて、マイクを定位置に戻す。 いよいよ、エデンを賭けた戦いが始まるのだ…… 「大統領……妙に私達人間側が有利じゃありませんか? こっちは9人倒せば勝ち、あちらは27人も倒さねばならないんですよ? それも3対1…各自多面待ちをすれば楽勝ですよね…?」 「確かにな…だがメナスよ、ルール3の『固有能力』とやら…厄介そうだぞ…… 竜の力に、人間の常識は通用しない。 豪運か、あるいは常軌を逸脱したイカサマか…なんにしろ要警戒だな。 それと俺達人間の猶予は24人までだ。25人やられた段階で、残り2人…… 麻雀の続行が不可能となり、敗北となるわけだ。ところで、その人数は集まったのか?」 「はい!(多分)兵ばかりを集めました!これが一覧です!」 ドリス・メナス・エメラダ・グリフ・ソウゲン・リッケン・エメル・ファロ・ノワリー ルシェ王・ジェッケ・バントロワ・セティス……各国主要人物計13名 ルシェファイター・金ナイト・ルシェナイト・ルシェローグ 黄ヒーラー・ルシェヒーラー・ルシェメイジ・若サムライ・おっサムライ ルシェプリンセス・ジェン爺・ハノイ・ネストル・????……PC、NPCキャラ計14名 「我ら竜も最強のメンツだぞ?人間どもよ、我らに勝てると思うな!」 ニアラ・ヘイズ・キング・デッドブラック・インビジブル・ジ・アース・トリカラード リブロドラゴニカ・ドラゴアンゼラ……真竜+帝竜+最上級竜計9名 人間と竜、星を賭けた戦いの鍵を握る総計36名の戦士…… 彼らは一体、どのような闘牌をするのか!? 「竜側、一番手は私、黒帝竜デッドブラックがお相手します。どうかお手柔らかに……」 「ならばこちらはソウゲン・リッケン・ルシェヒーラーの三人が相手だ!」 ついに、その戦いの火蓋がきっておとされた……!! 「ロンです!12000…リッケンさん、トビですね」 「無念……」 人間と竜の戦いが始まり、しばらくの時が流れた。 今現在、人間側の戦況は……最悪だった。 たった今デッドブラックに振り込んでしまったリッケンは、持ち点がマイナスとなり退場。 その前に既に残りの二人も全ての点棒を吐き出して退場してしまっている。 ……人間側は早くも三人の兵を失ったのだ。 対する竜、デッドブラックは持ち点が異常である。 何しろ元々多い点棒を三人分丸ごと取り込んでいるのだから。 (このままではまずいな……) 戦況を眺めていたドリスは、爪を噛みながら状況を整理していた。 今デッドブラックの持ち点は軽く20万を越えている。 儚く散った二名の代わりに戦いに参加した桃髪の戦士と金鎧の騎士の持ち点は、 それぞれ16000と34000。配牌もいいとは言えない。 リッケンの代わりに戦いを引き継いだばかりのノワリーの実力はわからないが、 多分デッドブラックにむしり取られてしまうだろう。 このままでは……人間は竜を一人も倒すことなく負けてしまうのは火を見るより明らか…… しかし絶対に負けるわけにはいかない戦いである。 そこでドリスは、ある賭けに出た。 「ニアラ……頼みがある」 「なんだドリスよ?」 「ひとつ、俺の要望を聞いてくれないか?……このままでは竜が一方的過ぎる。 「ふむ…確かにこうも一方的だと退屈だな。いいだろう…… 貴様の要望にこたえてやろう。負けてくれ、以外ならなんでもこたえるぞ?」 「じゃあこの麻雀を脱衣麻雀にしてくれ」 「なんだそんなことか。いいだろう、この麻雀を脱衣麻雀に……」 「「なにいぃぃぃ!?」」 広いミロスの謁見の間に、竜と人間の見事な絶叫が響く。ニアラも例外なく叫んだ。 竜側は、驚きの絶叫。対する人間も同じ様な驚きの絶叫だったが…… 一部の人間は…歓喜の絶叫をあげていた。理由は伏せておこう…… そして集まった人間と竜が絶叫をあげるなか、一人だけ表情を変えない者がいた。 その者は、今さっき卓についたノワリー。 彼は表情を変えずに…ただ目の前に座る幼さの残る黒髪少女―― 卓の大きさの都合で人間の姿をとっている黒帝竜デッドブラックを―― 眺めていた。ひたすらに。口の端を僅かに持ち上げて。瞳を狂気に染めて。 そして……鼻から血を流しながら………… おまけの各竜固有能力 ・ニアラ、ヘイズ…不明 ・キング…固有能力『募り行く殺意』『王の威厳』 局を重ねる度に役の威力が勝手に上昇。ドラものりやすくなる。 ノーテンだった対戦者を問答無用で一発退場させる。抵抗は不可能。 ・デッドブラック…固有能力『完全なる闇』 対戦者を疑心暗鬼にさせ、全ての牌を危険牌だと誤認させる。 ・インビジブル…固有能力『瞬動』 一巡に一回、手牌と山牌を入れ替えられる(四牌まで)発動タイミングはいつでも可。 ・ジ・アース…固有能力『ソウルプレス』 流局した場合、対戦者の点棒の半分を破壊して使用不能にする。 ・トリカラード…固有能力『オールリセット』 その局を強制的に流局させる。発動タイミングは二巡目以降。 ・リブロドラゴニカ…固有能力『風切羽』 牌の表面を削りとって白にすることができる。が、体力を消耗する。 ・ドラゴアンゼラ…固有能力『秩序結界』『癒しの歌』 大いなる力で対戦者のあらゆるイカサマ行為を封じる。 一巡ごとにどこからともなく点棒1100点が自動追加される。 各人間固有能力…所有人数、能力共に不明。
https://w.atwiki.jp/nanadorakari/pages/59.html
カザンの 兄想いの妹の兄×兄想いの妹。 正史とは違うもう一つのエンディングをイメージしてますが、ネタバレはないはず。 個人的にはハッピーエンドのつもりですけど、 見方によっては普通に鬱かもしれませんので注意してください。 いっそ世界なんて、なくなっちゃえばいい―― 私はかつて、そう思ったことがある。 ――と言ってもそれは遥か昔、まだ幼き日のことだ。 母親に叱られた。父親にげんこつを落とされた。 そんな他愛もない理由で、世界の終わりなんて大それたものを望んだあの日。 泣きながら家を飛び出しては途方に暮れ、夕方になると探しにきた兄に手をひかれて家路についた。 やがて少しずつ成長していくにつれて、私は当たり前のことを学んだ。 私がいくら自分勝手に望もうと、世界は終わりなんてしない。 それ以前に、「世界の終わり」を望むこと自体がなくなっていた。 厳しくも心の奥底では優しかった両親、いつも私を大切にしてくれる兄、 沢山の友達、楽しい毎日。 時々イヤなことはあったけれど―― それでもやっぱり、私にとって世界は輝いていたから。 なのに―― 私は、窓の外に視線を向けた。 視界に飛び込んでくるのは一面の花、花、花。 醜いかと言われるとそうではない。 むしろ、カラフルな原色に彩られたその花は、綺麗だと言ってもいいだろう。 だけど、すべてを飲み込むかのようにそこら一面に咲き誇るその姿は、今となってはどこまでも禍々しかった。 ”フロワロ”。 そう名づけられた、怪しい色彩を放つ破滅の花は、 一昨日よりも、昨日よりも、着実にその密度を増してきてるかのようだった。 もはやそれは、遠い国の御伽噺でも、遥か未来の話でも、一年後の話ですらなかった。 「世界の終わり」は、もはや目の前に迫っているのだ。 私は溜息をひとつつくと、カーテンをそっと閉めた。 この国、いや、この星のいたるところに、フロワロが咲き始めてもう三年以上が経つ。 街中でも時折見かけらるようになったその花は初めのうちこそ、 遠慮深げにひっそりと咲いているように私の目には映った。 次の日には大抵、誰かに駆除されてなくなってしまっていたけれど。 だから当時の私は、その花がそんなに悪いものだとは思えなかった。 それはきっと、私だけじゃない。 周囲の友達も、大人たちですらもみんなそうだったのだ。 結局のところ、何年後の破滅よりも明日の食事を心配しなくては、人は生きていけない。 この花が地上を覆い尽くす時、世界は滅びる―― なんてことを言われても、現実感がまるでなかった。 誰もが、うすぼんやりとしたぬるま湯のような淡い恐怖に侵されつつも、 心のどこかでは、「『誰か』が『なんとか』してくれるだろう」そう考えていたに違いない。 そして、その「誰か」は確かに現れた。 今は亡き大統領に見初められたというそのギルドは、三年間の沈黙ののち、 ――なんでも、フロワロの毒に侵され、眠っていたという話だ―― 世界各地のドラゴンを次々と倒し、フロワロを散らしていった。 かく言う私も、彼らにおおいに世話になった人間の一人だ。 彼らは、旅先で記憶を失い、音信不通になっていた私の兄を連れ戻してくれたのだ。 (この人たちならきっと、この世界も救ってくれる!) 私はそう信じた。 言葉にすると陳腐かもしれないけれど――彼らはまさしく、希望の光だったのだ。 やがて彼らは、決戦の地へと赴いた。 恐らくは、私のように平凡に生きてきた人間には知る余地もなく、 想像もつかないような、強大な相手の元へ。 私のかけた、「絶対に生きて帰ってきてね!」との言葉に 大きく頷いてくれた彼らの笑顔が、今でもこの目に焼きついて離れない。 そして彼らは――二度と戻ってこなかった。 彼らだけではない。 彼らの遅すぎる帰還を待てず、私でも名前を聞いたことのあるような有名ギルド、 「王者の剣」をはじめとして、無数のハントマンたちが彼の地に赴き、そのまま消息をたった。 たった一つのギルドの活躍で、一時期はほとんど地上から消滅しかけていたフロワロが、 再び蔓延して街中にまで我が物顔でのさばるようになるまでの間に、長い時間は必要としなかった。 そこでやっと、世界中の誰もがようやく気づいたのだ。 本当に世界は終わる、と。 それから後のことは正直、思い出したくもない。 恐怖と焦燥に狩られた人々は次々と暴徒と化した。 ドラゴンの襲撃を待たずして、人々は人間同士で勝手に奪い合い、犯し合い、殺し合った。 それはまるで、悪夢のようだった。 法も良心も、正義の二文字すらも、たちまちのうちに、まったく意味を成さないものと成り果てた。 今となってはもはや、大統領亡きあと、この国を救うべく奔走していたメナスさんの生死ですらさだかでない有様だ。 記憶を取り戻して家に帰ったあとは、ひたすらに私を護り続けてくれた ハントマンあがりの頼れる兄がいなければ、私もこうして無事ではいられなかっただろう。 あの凄まじいまでの暴動が起こったのは何日前のことだったか。 いや、何週間――? 絶望に満ちた日々の中で、もはや私の中からは、月日の感覚すらも消失しようとしていた。 記憶を取り戻して家に帰ったあとは、ひたすらに私を護り続けてくれた ハントマンあがりの頼れる兄がいなければ、私もこうして無事ではいられなかっただろう。 あの凄まじいまでの暴動が起こったのは何日前のことだったか。 いや、何週間――? 絶望に満ちた日々の中で、もはや私の中からは、月日の感覚すらも消失しようとしていた。 両親は既に何年も前に亡くなっていたし、友達と呼べる人もいなくなってしまった。 今の私に残されたのは、兄だけだ。 『コンコンコン』 その時、家のドアがノックされた。 私はハッとしてその方向を見つめる。 一瞬の沈黙、そして再度ドアが叩かれた。 『コンコンコンコンコン』 私は動かない。 まだドアを開けてはいけない。 『コンコンコンコン』 ――兄だ。 どうやら、食料の調達から戻ってきたらしい。 「いいか、3回、5回、4回の順にドアをノックするのが僕だ。 それ以外は絶対にドアを開けるんじゃない」 破滅に向かう世界の中で、私と兄の間に生まれた約束事。 私はほっと一息つくと、ドアに歩み寄り閂を開いた。 「おかえりなさい、おにいちゃん。 今日は早かったね、もっと遅くなると思って……」 ドアの中に素早く滑り込んできた男の姿を見て、私は凍りついた。 (違う、おにいちゃんじゃ……ない……!) 「やあ、久しぶりだな」 私の目を覗きこむように見据えて口元を歪ませた その男は、隣の家に住む男だった。 どうやら私に好意、というよりは邪な感情に近いものを抱いていたらしく、 無遠慮な視線を向けてくるようなこともあり、 決して好ましいタイプではなかったが、毛嫌いするほどでもなかったので、 会えば挨拶ぐらいは交わす、そんな普通の隣人だった。――かつては。 だが、今の彼は、例に漏れず、すっかり変貌を遂げていた。 ただ生き延びるだけで、様々なことがあったのだろう。 バサバサの髪、ボロボロの衣服、そしてなにより、焦点の定まらない血走った目。 この人はもうまともじゃない――私の理性はそう判断した。 「どうして……?」 自分でも意識しないまま、呟きが口から漏れる。 様々な意味を内包しての言葉だったが、彼は勝手に独自の解釈をしたようだった。 「ああ。どうして合図を知ってたかって? 君のお兄さんが、家に帰る時にこうやってドアを叩いてるのいつも確認してたからな。 隣に住んでるんだから、それぐらいはわかるさ。 最近、物騒になったからなあ、怖いよなあ。 やっぱり、用心はしなきゃだよな、え?」 言いながら、じりじりと私の方へと間合いを詰めてくる。 「お願い……ここから、出て行って……」 私は既に、涙声になっていた。 舐めまわすような目で見られるだけで、体の震えが止まらない。 「やだなあ。どうしてそんなこというのかねえ。 隣同士じゃないか……俺は、君を守ってあげてもいいって考えてるんだぜ? ……なあ、こっちに来いよ、俺を信じてさ」 「結構です! 私には、おにいちゃんがいるんですから! あなたの助けなんて……必要としてません!」 「そのお兄ちゃんは、君を一人にして、出かけてるんじゃないか? だから君は一人きりでこうして震えてるんだろ? 可哀想に……遠慮しなくていいんだぜ」 「遠慮なんかじゃありません! お願い……私はただ……おにいちゃんと静かに暮らしていたいだけなの……」 「いいからこっち来いってば、俺の家に来いよ」 「………! やっ、離してっ!」 右腕を掴まれた私は、反射的に反対の腕で男の頬を思いっきりはたいていた。 パチンという音が室内に響き渡る。 だが、音こそ派手ではあったものの、そんなか細い一撃は所詮逆効果でしかなかった。 「ってぇ! ンのアマ! 大人しくしてりゃあつけあがりやがって!」 「きゃっ! やめ……て! 放して!」 必死で抵抗するが、大の男の力に抗えるはずもない。 私はたちまち、ベッドの上に押し倒され、押さえ込まれてしまう。 両肩を大きく上下させてる男の荒い息が顔にかかり、あまりの不快さに顔が歪む。 「大人しくついてくれば家で可愛がってやろうと思ってたが…… そんな態度に出るんじゃしょうがねえな。この場で犯してやる」 「やあ…… 許して……くだ、さい…… おねがい、します……」 「誰がやめるかよ、バカ」 「んっ……んぐぅ………ぅぅぅ……!!!」 無理やり口付けされ、ぬめっとする舌が私の口中まで入ってきた。 そのおぞましさに全身の毛穴がぞわっと開く。 噛み切ってやる、そんなことすら考えられなかった。 「はぁ……はぁ…ははっ! お前はもう、俺のものだ! あはははははひゃはひゃひゃ!」 狂ったように笑いながら、男は乱暴に私の衣服を引きちぎった。 ボタンが弾け飛び、胸があらわになる。 「けっ、思ったとおり貧相な胸だな! それでも相手にしてやるんだからありがたく思え」 男は悪態をつき、私の胸にむしゃぶりついてきた。 乳首を乱暴に舌先で弄くり、品のない音を立てて吸い上げる。 まだ誰にも触れさせたことも――見せたことすらなかったのに。 あまりの羞恥とくやしさと情けなさで、頭の中が真っ白になる。 「さあ、こっちの方はどうだ」 とうとう男の手が、下半身まで伸びてきた。 きつく太股を締め上げようとしても、哀しいほどにあっさりと突破されてしまう。 男の手は、私の一番敏感な部分を直接撫で上げた。 再び走る悪寒。一瞬のうちに全身が総毛立つ。 「案の定、だな。毛も生え揃ってやしねえ。 まだ濡れてもいないようだが……なに、すぐ気持ちよくなって俺のを欲しがるようになるぜ」 「いい加減に……して!」 これがきっと最後の虚勢だ。今にも折れそうな心をなんとか奮い立たせて私は男を睨み付ける。 「いつまでも意地はっててもしょうがねえだろ? どうせ、もうすぐなにもかもおしまいなんだ。世界が終わってしまう前に、最期にいい思い出作ろうぜ」 世界が――終わってしまう前に? 冗談じゃない。 最後に私が望んでいることはのは――こんなんじゃ、ない―― 「おにいちゃん……たすけ……て……」 「おいおい、いい加減に諦めろよ。 そう都合よく助けになんて来るわけねえだろ。案外あいつだって今頃、他の女を襲ってたりして……」 「……誰が他の女を襲ってるって?」 静かなトーンの、しかし背筋を凍らせるほどの殺意に満ちた声が男の背後から聞こえた。 「え…… ……………ぐぉぇっ!」 振り向いたその顔面に横殴りの正拳が打ち込まれ、男は派手に吹き飛んだ。 そこに立っていたのは、おにいちゃん。 私と男が気づかないうちに帰宅し、異変に気づいて男の背後まで迫ってきていたのだ。 「貴様……よくも、よくも……ッ!」 「お……にいちゃん!」 「くっ…… もう大丈夫だ……少し待っててくれ。 今すぐこいつを、殺してやるから!」 おにいちゃんは言うが早いか、渾身の一撃を受けて起き上がれずにいる男の上に 馬乗りになって、顔面に何度も拳を叩き込んだ。 「この外道がッ! よくも妹にぃぃぃ!」 鬼気迫る表情で、取り憑かれたように拳をふるい続けるおにいちゃん。 不意をつかれて先手を奪われた男はもはや、反撃も、逃げることも出来ずただただ一方的に殴られていた。 一発殴られるごとに血と前歯が飛び散り、顔面がドス黒く腫れ上がっていく。 「おにいちゃん、もうやめてっ! 死んじゃうよっ!」 「だけどこいつ……お前のことを……!」 「もういい! もういいの! 私は大丈夫だから……おにいちゃんのそんな姿なんてみたくないの……!」 おにいちゃんはまだ怒りに拳を震わせながら、それでもようやく、 一心不乱に男を殴り続けていた手を止めてくれた。 変わりに男の襟首を掴むと、ぐいと引き寄せて言う。 「おい……妹に感謝するんだな。 早くここから出て行け! そして二度と僕たちの前に姿を現せるな……! もしその薄汚い姿を次に見かけたら、次は妹が何を言っても僕が許さない……わかったな?」 男は鮮血に染まった顔で、弱々しく何度も首を上下させた。 「ふん……さあ、早く消えろ!」 壁に突き飛ばされ、よろよろとおぼつかない足取りで外へ消えていく男。 おにいちゃんは外まで出てその姿を確認すると、しっかりと戸締りをして私のもとまで戻ってきた。 服がボロボロになってしまった私に、そっと自分の上着をかけてくれる。 「……すまない、僕が遅くなったせいでこんな目に……!」 「ううん、ドアを開けちゃった私が悪かったの…… あはは……なんか合図をこっそり見られてたみたいで……」 「………くそっ」 「……そんな顔しないで、おにいちゃん。 私、ほんとに大丈夫だよ」 間近に、おにいちゃんの心配そうな顔が近づく。 ああ―― いつもの、慈愛に満ちた目だ。 優しく私を見つめて、いつもどんなときも護ってくれる、 私の知ってる、一番大好きなおにいちゃん。 「一時はもう駄目かと思ったけど…… その…………最後までされてないから」 「……そ、そっか」 気まずそうに目をそらして頬を掻くおにいちゃん。 こんな場合だというのに、そんなおにいちゃんがなんだか可愛くて 私はほんのちょっとだけ吹き出しそうになった。 「助けてくれてありがと……おにいちゃん」 私は、おにいちゃんのたくましい胸の中にもたれかかる。 おにいちゃんは、ちょっとぎこちない動きで、それでも私をそっと抱きしめてくれた。 「髪、撫でてくれる? おにいちゃんに撫でられるの大好きなの。 すっごく落ち着くの」 「……ああ。いいよ」 私に乞われるまま、おにいちゃんは、 私の頭を、お気に入りのおっきなリボンごと優しく撫でてくれた。 「……ふふっ。おにいちゃんにこうしてもらうの、結構久しぶりだよね」 「そう言われてみるとそうかもな……」 「覚えてる? 小さいころよく私が家出してさ、いつもおにいちゃんが迎えにきて、 泣いてる私の頭撫でながら慰めてくれてたの」 「覚えてるよ。お前、ことあるごとに家を飛び出してたよなあ…… なにがそんなに不満だったんだ?」 「……なにが不満だったんだろね?」 私とおにいちゃんは、顔を見合わせて少しだけ笑いあった。 ようやく、張り詰めた空気が弛緩したようだった。 「……ねえ、おにいちゃん」 「ん?」 「……………もうすぐ終わっちゃうんだよね、世界」 「…………………」 おにいちゃんの手の動きがピタリと止まった。 長い沈黙のあと、結局はポツリと呟く。 「……ああ」 「だよね」 それはもはや、世界中の誰にでもわかりきっていること。 おにいちゃんも、今更否定しても仕方がないと思ったようだ。 (世界が終わってしまう前に、か……) 「なんで急にそんなこと言うんだよ?」 私はその質問には答えなかった。 その代わりに、ありったけの勇気を振り絞って ずっと言いたかったけど言えなかった質問を口にする。 「……おにいちゃん、私のこと、好き?」 「……また唐突だな」 「答えて」 「……好きに決まってるじゃないか。 お前はいつだって、一番大切な僕の妹さ」 「違う、そうじゃないの」 「そうじゃない、って……」 怪訝そうな顔をするおにいちゃん。 でも私にはわかってる。この怪訝そうな顔は、それほど真実を示していない。 「……本当はわかってるよね? 私の言ってる意味。 妹としてじゃなくて……女として、好き?」 「な、なに馬鹿なことを……」 「………私は好きだよ。おにいちゃんのこと。 もちろん、おにいちゃんとしてもだけど……それ以上に、一人の男の人として」 狼狽するおにいちゃんの目を、私はまっすぐ見つめる。 そうだ。もう、残された時間はほとんどない。 今言わないで、いつ言うんだ。 ぶつけよう。私の本当の気持ち、本当の心を。 「おにいちゃん……好き。愛してるの。」 「……僕たちは……兄妹なんだよ……」 「わかってる……! そんなの、ずっと昔からわかってるよ! だからでしょ? だからおにいちゃんも家を出て行ったんでしょ?」 「え……?」 おにいちゃんの目が、驚愕に開かれる。 「私のこと、妹として見れなくて、 でもやっぱり兄妹だからどうしようもなくて、それでハントマンになって家を出ていった。 違う?」 「………………………」 「否定しないの?」 「……………僕は……」 「…………わかるの。私も一緒だったから。 同じ目でおにいちゃんのことずっと見てた。 毎日、毎日、胸が張り裂けそうだった。 だからおにいちゃんが旅に出るんだってきいたとき、 これでやっと、ただの妹に戻れると思った」 「………ああ……そんな……」 「でもね、駄目だったよ。 不思議だよね。隣にいないと、余計に気づかされちゃうの。 どれだけおにいちゃんのこと、愛してたのかって……思い知らされちゃった」 「……………」 「おにいちゃんが帰ってきてくれたとき、ほんとに嬉しかったよ。 ……それでもやっぱり、言っちゃだめだと思った。 血が繋がってるんだもん、兄妹だもん。そう、自分に必死で言い聞かせて。 …………でも、さっきやっと決意したんだ。 どうせ世界が終わっちゃうのなら……私はもう、ためらわない。 兄妹としてじゃなく………男と女としておにいちゃんと最後の時間を過ごしたいの」 「………………………………………僕、は……」 「……もういっかい言うね。 好きです。……愛してます。 最後に私のこと…………一人の女として、愛してくれませんか?」 「………………………」 おにいちゃんは、すぐにはなにも言葉を返してくれなかった。 唇をきゅっと硬く結び、苦悶の表情を浮かべている。 私も、催促の言葉などかけず、その瞳だけを見つめ続ける。 伝えたいことは全部伝えた。 あとはただ待とう。おにいちゃんが答えを出してくれるのを。 「………………………… …………………………………… ……………………………………………… ああ、わかったよ、言うよ! 僕は……いや、僕もお前のこと、愛してるよッ!」 「……………おにい……ちゃん」 「そうだよ、何もかもその通りだよ! 怖かった……いつか襲い掛かってしまいそうなぐらい…… それぐらい愛してた……! だから、家を出たんだ……! なにもかも……お前と一緒だよ………!」 「……ああ………」 人は、喜びのあまり言葉がでなくなることもあるのだと、その時私は初めて知った。 「お前になにもかも言わせちゃって、駄目な兄、いや、駄目な男だよな…… 遅くなったけど……僕にももう一度言わせて欲しい……愛してる……」 「うん…………私も…! 好き! 世界で一番愛してるの!」 もう、私たちの間に壁になるものはなにもなかった。 背骨が砕けそうなほどに強く抱き締められた。 無我夢中で口付けを交わし、互いの舌を、唾液を交換する。 おにいちゃんの舌は凄く柔らかくて、暖かくて、やっぱり優しかった。 「ねえ……ほら、触ってみて」 長いキスを終えたあと、私はおにいちゃんの手をとって、 自分の胸へとあてがった。 「私、こんなにドキドキしてるんだよ。わかる?」 「ああ、わかるよ。凄い早さでとくとくいってる」 「なんだか、まだ夢を見てるみたい……」 「……夢なんかじゃないさ」 私の鼓動を確かめるためだけに胸に触れていたおにいちゃんの手の動きに、 今度ははっきりとした意思が宿る。 「あっ……やん………」 手のひらで胸全体を撫でさすられたあとは、先端をそっと摘まれ、刺激を与えられる。 やがては、胸だけでなく、おへそのあたりにも、その下の方にも―― 触れるか触れないかぐらいのところで撫ぜられるだけでも、いちいち体がビクンと小さく刎ねてしまう。 私は今、おにいちゃんに愛されてる。 そう思うだけで、体の奥底から熱くて鋭い何かがこみ上げてくる。 おにいちゃんはそれからも、たっぷりと時間をかけながら、 私の衣服をすべて脱がせ、丹念に私の全身を愛撫してくれた。 このままだと、一人だけで恥ずかしい姿を晒してしまいそうだった。 「おにいちゃん……今度は私にもやらせて」 私は、おにいちゃんを制すると、私と同じように服を脱いでもらった。 「わ……凄い……」 最後の布切れの奥から勢いよく飛び出したそれを見た私は、 端から見ると、きっと滑稽なほどに目を丸くしていだろう。 「昔は全然こんなじゃなかったのに……」 「昔って何年前だよ」 「10年ぐらい前、かな……」 今、私の前にあるそれは、幼き日の記憶の中にあったものとは 形状も大きさも、あまりにかけはなれていた。 硬くて太くて、先端は奇妙な形に膨らんでいる。、 「男の人っのて、こんなになるんだね。 ………触っても、いい?」 「うん。あらたまって言われると照れるけど……」 私はおずおずと手を伸ばして、その部位に触れた。 それは、見た目通り――というよりも見た目以上に硬く、がっちりとしていた。 手のひらを通して、ドクンドクンという震えが伝わってくる。 「わあ、すっごく硬い…… 熱くて、ごつごつしてて、それになんだか……脈うってる」 「い、いちいち言わなくていいよ……恥ずかしいじゃないか」 「それにしても、変な形……」 間近でまじまじと見つめる。 初めはグロテスクに見えていたそれだったが、 よく見るとなんとなく愛嬌があって可愛い――ような気もする。 ほんの少しだけ躊躇したが、私はそれに口付けをした。 蒸れた汗のような匂いが鼻をくすぐる。 「お、お前……どこでそんなことを覚えたんだ……!」 素っ頓狂な声をあげるおにいちゃん。 「こうしたら男の人って喜んでくれるんだよね? 友達がよくそんな話してたから知ってるよ」 「マジかよ……まったく、最近の若いやつらときたら」 「……いくつも年なんて離れてないくせに。 でも変な誤解しないでね……こんなこと実際にするのは初めてだよ」 「そんなのわかってるさ。でも、そんなことしなくていいよ、 最近ほら、清潔とかとは程遠い毎日おくってたし……汚いよ」 「ううん、汚くなんてないよ。 ……おにいちゃんの味がする」 「…………バカだな、お前」 「バカでいいもん……んっ…ちゅぱ…」 「……………くぅっ……」 どこをどうすればいいのかもわからず、ただただ無我夢中で舌を這わせただけだったけど、 おにいちゃんは気持ち良さそうな声を幾度もあげてくれたのが心底嬉しかった。 (あ……なんか先っちょの方から……染み出てきた) すっぱいような苦いような、不思議な味がするこの液体は、 おにいちゃんがちゃんと気持ちよくなってくれている証なんだろうか。 「……なあ」 「………なあに?」 おにいちゃんが、私の顔を自身から引き離して言った。 「もう、これ以上我慢できないよ。……お前が、欲しい」 「………うん。私も、おにいちゃんの……欲しい」 そして、おにいちゃんは、私を仰向けに横たわらせると、 自らの先端を私の入り口へとあてがった。 自分でも恥ずかしくなってしまうぐらいにそこは潤っていて、 既におにいちゃんを受け入れる準備は出来ていた。 「いい? いくよ」 「うん。来て……」 私の返事を受けて、おにいちゃんは少しずつ私の中へと体を進めた。 「…………あぁぁっ!!」 先端がほんの少し入っただけで思わず、悲鳴をあげてしまった。 ――痛いなんてものじゃなかった。 例えるならば、体が引き裂かれているかのような、そんな痛みが下半身に響いている。 「大丈夫か? そんなに辛いんだったら、無理しなくても……」 「続けて………… おにいちゃんのだから……大丈夫」 「……わかった」 確かに痛かった。 だけど、決して辛くはなかった。 私はずっと、この瞬間を夢見ていたのだから。 おにいちゃんが、ゆっくりと私の中へと入ってくる。 痛みは私の奥底で、少しずつ別の感覚に摩り替わっていく。 ついに―― ついに私は、幼き日からずっと愛していたおにいちゃんとひとつになれたのだ。 「ずっと……ずっと一緒にいてね……おにいちゃん……」 「ああ……もう、絶対にはなさない……」 私はいつしか、とめどなくこみ上げる歓喜に両頬を濡らしていた。 うすぼんやりとした視界の中におにいちゃんの姿だけが映り、やがて――他の何も見えなくなった。 そして――嵐のように情熱的だった時間は過ぎ去った。 今は、そよ風のように柔らかい時間だけがゆったりと流れている。 おにいちゃんは、ずっと私の頭を優しく撫でてくれている。 私は、その温かい胸の中に抱かれたまま、ベッドの脇の窓に手を伸ばし、 少しだけカーテンを開いて、外に目を向けた。 花、花、花、花、花、花、花、花、花、 花、花、花、花、花、花、花、花、花、 花、花、花、花、花、花、花、花、花、 花、花、花、花、花、花、花、花、花、 花、花、花、花、花、花、花、花、花、 花、花、花、花、花、花、花、花、花 花、花、花、花、花、花、花、花、花、 花、花、花、花、花、花、花、花、花 花、花、花、花、花、花、花、花、花。 気のせいじゃない。フロワロは、確実に増殖している。 破滅の足音は、一秒たりとも待ってくれない。 たぶん、私たちに残された時間はもうほとんどないのだろう。 最期の時が訪れるのは一週間後? 明日? それとも、一分後? ――それでも、構わない。もう、怖くない。 最後にあと10秒―― もう一言だけ伝えることが出来れば、それで十分だ。 最愛の人の耳元でその言葉を囁く。 「おにいちゃん……私、おにいちゃんの側にいれて本当に幸せだったよ」 おにいちゃんは、何も言わずに、ただ私の手をとり、ギュッと力を込めてきた。 私もまた、その手を強く、強く握り返した。 (了)
https://w.atwiki.jp/7thdragon3/pages/24.html
Chapter4 不羈の街のプリンケプス Chapter4 不羈の街のプリンケプス ノーデンス カザン共和国 ノーデンス カザン共和国 市街地 古代遺跡レデイン 市街地 古代遺跡レデイン ノーデンス カザン共和国 市街地 古代遺跡レデイン ノーデンス 本館3F会議フロア 会議室でイベント 選択肢 すぐに、救助に向かおう! いったいどうしたら・・・ 選択肢 アリーは間違ってないと思う 『エデン』って? 会議室前でイベント 選択肢 ナビって、ナガミミのこと? 気になるなら会いに行けばいい。 本館B1F医療フロア 医務室でミオと話す 選択肢 さみしい? ・・・・・ 選択肢 ミオは役立たずなんかじゃない。 役に立たなくなっていい。 ポータル機能拡張の改修を行う 東館1Fポータルフロア 転送装置でカザン共和国へ カザン共和国 街の入り口 イベント 選択肢 もっと未来っぽいかと・・・ ずいぶんフロワロの侵食が進んでる・・・ 市街地 遺跡前でイベント ギルドオフィスでイベント 選択肢 通りすがりのタイムトラベラーです ヘイズを狩りにきました。 遺跡前でイベント ギルドオフィスでイベント 選択肢 よくわかったね。 なくはないかも・・・ ノーデンス アトランティス避難区 ウラニアと話す 選択肢 一緒に未来に行こう。 ウラニアに相談したいことがある。 本館3F会議フロア 会議室でイベント 選択肢 油断は禁物だ。 心配はしてないよ。 カザン共和国 市街地 遺跡前でイベント 遺跡の中に入る 古代遺跡レデイン 最下層 救助 ネコ×1 宝箱 宝箱 備考 ナノミラクル 海抜13m 救助 ネコ×2 宝箱 宝箱 備考 ヒールエアロIV 竜蒼水 海抜52m ブラクホーンと戦闘 市街地 ギルドオフィスでイベント キャラクターメイキングにバニッシャー&メイジが追加 3rdユニットを編成できるようになる 『ユニゾン』が実行できるようになる ブリジルトに話しかけて準備OKする 『新製品開発LV4』が改修リストに追加 古代遺跡レデイン 最下層 ドラゴン アックスドラグ×4 リトルドラグ×2 海抜13m 足場の無い場所にいるドラゴンは乱入させて倒す ドラゴン リトルドラグ×2 ドラゴフォルバルB×2(乱入) アックスドラグ×2 海抜52m イベント 選択肢 まずは帝竜を倒そう。 先に周辺を調査しよう。 脱出ポイント、セーブポイントあり ドラゴン リトルドラグ×1 ドラゴフォルバルB×2(乱入) アックスドラグ×1 救助 ネコ×1 宝箱 宝箱 備考 竜蒼水×2 ヒールエアロIII 海抜88m メイヘムフォシルと戦闘 メイヘムフォシル 竜瘴霧 全体に毒+盲目 装備で耐性をつけると良い。 メイヘムの防御力がアップしたらバディでブレイク。 救助 ネコ×1 宝箱 宝箱 備考 ヒールエアロIII×2 海抜97m イベント ノーデンス 研究開発フロアでイベント 会議室でイベント 選択肢 さすがサイラスだ。 ただの変態じゃなかったのか・・・ マイルームのベッドで休憩する 選択肢 どうしたの? 起こした責任は取ってもらうよ。 選択肢 知らない世界にワクワクした。 最初は怖かった。 選択肢 狩るべきものだ。 分からない。 会議室前でイベント 選択肢 寝てなきゃダメだ。 どうしてここに? 会議室でイベント 選択肢 早く止めないと。 でもどうして竜に・・・? カザン共和国 市街地 ギルドオフィス 選択肢 エメルを止めればいいんだね。 ・・・それってもしかして。 「エデン避難区」改修が改修リストに追加 古代遺跡レデイン 最下層 救助 探検家気取りの少年 海抜13m 海抜52m 救助 未熟なハントマン 海抜88m 海抜97m ドラゴン ブラックホーン×3 ドラゴフォルバルB×1(乱入) 救助 ネコ 宝箱 宝箱 備考 ヒュプノ結晶×3 ヒールエアロIV 海抜104m ドラゴン リトルドラグ×2 ブラックホーン×2 ドラゴフォルバルB×1(乱入) 救助 手負いのハントマン 宝箱 宝箱 備考 食材セット 食材セット ブラネルオール×2 海抜191m 脱出ポイント、セーブポイントあり ドラゴン ブラックホーン×2 ウォールスナッチ×1 ドラゴフォルバルB×2(乱入) 宝箱 宝箱 備考 5000Az ヒールエアロIV×2 最深部 第6真竜ヘイズと戦闘 第6真竜ヘイズ 主な攻撃 ・機関砲 対象ランダムに複数回攻撃 ・ハイパーシェル 物理・魔法ダメージ軽減 ・サウザンドキャノン 全体攻撃+火傷+盲目 ・キルスラッシュ 即死攻撃 ・ジェノサイドバリー 複数回攻撃 必要になる耐性は火傷と盲目。 ハイパーシェルをされたらバディでブレイクする。 エグゾースト、バディ、サポートは積極的に使うと良い。 回復はヒールエアロIVなどで細めに。 倒すとフィクスエアロをドロップ。
https://w.atwiki.jp/7d2020/pages/82.html
男性E:小野大輔 ※以下ネタばれを含みます 男性E:小野大輔 汎用台詞 サムライスキル トリックスタースキル デストロイヤースキル サイキックスキル ハッカースキル コメント欄 汎用台詞 上へ キャラクター登録時 「俺がキッチリ片付ける」 勝利時 「俺はまだまだ先に行く」「付き合う義理も暇もない」「さぁて?次はどいつが相手だ?」 逃走時 「勝手にやってろ」 対ドラゴン戦 「のさばらせて置けないからなぁ!」「一騎当千の働きだろ?」 対帝竜戦 「俺のまわりで好きにさせるか!」「これで少しは、安心かもな」 イベント勝利時 「そんじゃ、どうしてくれようか」(首都高戦)「なんでだよ・・・なんでなんだよ!」(人竜戦)「しょってるものがでかいんでね」(真竜戦)「次は素面でかかってこいよ」(人類戦士戦) レベルアップ時 「結構いい調子じゃないか?」「頼られすぎも考えものだな」 パーティ加入 「任された!」 室内 「どうかしたか?」(通常)「なんなんだよ!」(不機嫌)「好調だな」(喜)「喜ばせるな」(ゼロ=ブルー打倒直後) 料理 「やらなきゃ、ダメか? ま、こんな、とこだろ……」 スカイラウンジ 「俺に何させる気だ?」 サムライスキル 上へ 通常攻撃(共通) 「しゃあっ!」 エグゾースト 「ふうぅん!」 旋風巻き 「避けるなよ!」 金翅鳥王旋風 「誰も逃がすかぁ!」 袈裟斬り 「うりゃあ!」 力閂オロシ 「出番だな」→「覚悟を決めろ!」 トンボ斬り 「よろめけ!」 影無し 「一閃!」 収刀の紡ぎ 「勝負を仕掛ける!」 崩し払い 「出番だな!」→「呑まれなぁ!」 モミジ討ち 「出番だな!」→「迸れ!」 フブキ討ち 「出番だな!」→「おてんば過ぎるぞ」 不動居 「いいかげんにしろ……」 風林重ね 「後ろは任せな!」→「瞬断!」 十六手詰め 「出番だな!」→「お前に見切れるか?」 抜刀の紡ぎ 「盛り上がって来た!」 修羅の貫付け 「礼儀知らずでなぁ!」 刃下のリアクト 「容易くないぞ」 練気手当 「はしゃぎ過ぎたか…」 赤化の呼気 「さっきよりも強くなる!」 黒鋼の呼気 「もっと無敵に近づくさ」 丹田法の訓 「限界超えてけぇ!」 乱れ散々桜 「嵐が通るぞ」「せやっ」「だぁりゃあああ!」「ふぅん!」「っしゃあ!」「跡形もなくさらわれな!」 トリックスタースキル 上へ 通常攻撃(短剣) 「ふっ!」「そこ!」 通常攻撃(銃) 「せっ!」「でやぁ!」 エグゾースト 「はぁぁああ!」 タランテラ 「まぁ待て」 スコルピオ 「結構きついぞ」 ヴァンパイア 「味見するぞ」 フルムーンヴァンプ 「任せとけ!」→「物足りないな」 ベノムアンプリフ 「任せとけ!」→「恨むなよ」 アサシンアイズ 「不意が死を呼ぶぞ」 ベノムフェティシュ 「ついでにどうだ!」 ラッシュショット 「任せとけ!」→「まとめて送る!」 エイミングショット 「任せとけ!」→「誰がはずすかよ!」 ダンシングバレット 「はあああ!」→「全力で蹴散らす!」 ジャンプショット 「はあああ!」→「逃げてもいいぞ!」 ハイディング 「また会おうな」 ブッシュトラップ 「任せとけ!」→「ほーら、ここだぁ!」 チーターマン 「早上りといくか!」 アサシンズリアクト 「アップは済んでる!」 エスケイプスタンス 「お手上げだよなぁ」 サプライズハント 「」 トリックハンド 「倹約し過ぎだ」 サクリファイス 「この背中を覚えておけよ」 狂咲きバッドヘヴン 「お祭り騒ぎだ」「ド派手に引導渡してやるよォ!」「捕らえた!」「二次会はあの世でやりな」 デストロイヤースキル 上へ 通常攻撃 「つあっ!」「うりゃあ!」 エグゾースト 正拳突き 「ぬうあぁ!」→「ガチだぜ!」 デストロイチャージ 「上手く入れよ」 ジャブ 「討つべし!」 ダブルフック 「これは効くぞ」→「しばらくくらめ!」 スピネイジブロウ 「くず折れろ!」 釣瓶マッハ 「倒れてる間も無いぞ!」 クインテッタ 「これは効くぞ」→「はぁぁっ、よいしょ!」 ドリルクロウラー 「腹から抉る!」 迎撃スタンス 「ウェルカムだ!」→「ぬぅりゃあ!」 迎撃スタンス・重式 「カモンベイビー!」→「ぬぅりゃぁ!」 オトシ前上等! 「馬鹿野郎っ!」 牙折る也 「俺だけ見てな」→「そこだぁ!」 爪砕く也 「おとり作戦!」→「そこだぁ!」 吹裂く也 「タフなもんでね」→「そこだぁ!」 凶転ず也 「怖くなったか?」→「そこだぁ!」 怒りの重爆 「ぬぅあああ、闘魂炸裂っ!」 デストロイリアクト 「負ける気がしないな」 先制デストロイ 「言われなくても」 瀕死のド根性 「狙うは大逆転!」 パリングシールド 「やり過ごすぞ!」 スカイハイメテオ 「鬱憤晴らすぜ」「微塵も残さず冥土に送る!」「死にたい奴はどいつだー?」「よいしょぉ!」 サイキックスキル 上へ 通常攻撃 「」「」 エグゾースト 「」 フレイム 「着火ぁ!」 イフリートベーン 「ぬあああっ!」「消し炭になれぇ!」 ヒートボディ 「ちょっと来てみろ!」 フリーズ 「凍結っ!」 アイシクルエデン 「ぬああああっ!」「凍えて震えろ!」 ゼロ℃ボディ 「引っかかれよ!」 エレキ 「落雷っ!」 ボルトアヴェンジ 「ぬあああっ!」「天よ落ちろ!」 プラズマジェイル 「かき乱せぇ!」 デコイミラー 「お手を拝借」 半径50mの支配者 「俺に従え!」 マイクロバースト 「炸裂する……」「惨くてわりぃな!」 マナフローター 「とっておきを見せてやれ!」 コンセントレート 「全力集中っ……!」 キュア 「立て直そう!」 リカヴァ 「炸裂する……」「ついてないな」 リザレクション 「炸裂する……」「勝手に置いてくなよ!」 デッドマンズリアクト 「ぬあああっ!」「チャンスに変える!」 魔力の湧水 「有利に運ぶ!」「サプライズだぜ」 オートリカヴァ 「炸裂する…」「緊急患者か?」 黒のインヴェイジョン 「この手で!」「お前を冥府に引きずり落とす!」「……よっしゃあ!」「死ぬ覚悟くらい、あるんだろう?」 ハッカースキル 上へ 通常攻撃 「ほぁっ!」 エグゾースト 「いやあぁ!」 アタックゲイン 「速攻で攻め落とすぞ!」 ディフェンスゲイン 「自分の身くらい守ってろ!」 リジェネレーター 「倒れる前に治しとけ!」 119ナノマシン 「いやあぁ!」→「ここが気合の見せ所だ!」 Bデータイレイザー 「イエアアア…」→「何付けてくれんだよ!」 ファイアブレイク 「消火しなきゃな!」 アイスブレイク 「ビビる必要はないぞ!」 Aスキルコーラー 「いやあぁ!」→「好きなようにやってみな!」 ハッキングワン 「乗っ取れ!」 ハッキングゼム 「文句のある奴はぁ?!」 マッドストライフ.x 「鬼はあっちだ」 スケイプゴート.x 「提供サンキュー」 ロストパワー.x 「腑抜けたな!」 バッドインバリッド 「試練はこれからだ!」 スリープオール 「イエアアア…」→「順番を待て!」 カースオール 「矜持に喰われろ」 ハッキングリアクト 「自分に賭ける」 リアクターチアー 「うまいことやってくれ!」 クイックハック 「俺がもらう!」 サバゲーナレッジ 「イエアアア…」→「そんなに傷が痛むのか…?」 禁断の秘技 「インターフェイス!」「バランスなんて知ったことか!」「ベストだ!」「俺が勝つ、それだけだ」 コメント欄 アタックゲイン「速攻で攻め落とすぞ!」 ディフェンスゲイン「自分の身くらい守ってろ!」 Bデータイレイザー「イエアアア…何付けてくれてんだよ!」 マッドストライフ「鬼はあっちだ」 ロストパワー「腑抜けたな!」 スリープオール「イエアアア…順番を待て!」 ハッキングリアクト「自分に賭ける」 クイックハック「俺がもらう!」 サバゲーナレッジ「イエアアア…そんなに傷が痛むのか…?」 ハッカーはこんな感じ。ハッキングワンは聞き取れん -- 名無しさん (2011-12-07 18 06 25) 人類戦士に勝つと「次は素面でかかってこいよ」って言う -- 名無しさん (2011-12-07 19 27 37) 室内台詞、不機嫌(4章終わり~5章)「なんなんだよ!」 上機嫌(3章、6章)「好調だな」確認。 -- 名無しさん (2011-12-08 22 47 28) ちょびっと追加!掛け声系は聞く人によってニュアンスが代わるからなんともいえんw -- 名無しさん (2011-12-09 01 01 28) 狂咲きバッドヘヴン 「つかまえた!……二次会はあの世で」 -- 名無しさん (2011-12-09 22 24 04) ↑手榴弾→ランチャー三連射→五号玉発射→ラストの4種全部書いてほしいなっ -- 名無しさん (2011-12-09 22 27 22) 狂咲きバッドヘヴン「お祭り騒ぎだ!派手にいこうぜ。…二次会はあの世で。」かな -- 名無しさん (2011-12-09 22 32 03) 狂咲バッドヘブン全部。「お祭り騒ぎだ ド派手に引導渡してやるよ! 捕らえた! 二次会はあの世で」 メモったw -- 名無しさん (2011-12-09 23 03 07) GJw反映しといたよ! -- 名無しさん (2011-12-09 23 11 02) 狂咲は「二次会はあの世でやりな」って言ってないかな?最後小さい声だから聞き取りにくいけど -- 名無しさん (2011-12-10 19 21 23) 人竜勝利セリフ追加。うろ覚えだが確か合ってるはず。 -- 名無しさん (2011-12-10 20 57 14) ↑↑BGMとSE消して聞いたらその通りでした。修正するよー -- 名無しさん (2011-12-10 21 11 47) 迎撃スタンス・重式の台詞 カモンベイべー -- 名無しさん (2011-12-11 10 46 38) デコイミラーは「もてよ……」→「生産!」って言ってねえ? -- 名無しさん (2011-12-19 18 40 17) オートリカヴァ 「緊急患者か?」だと思われます -- 名無しさん (2011-12-30 12 41 37) ここにまだ出ていないので… 爪砕く也 「おとり作戦!」→「そこだぁ!」 -- 名無しさん (2011-12-31 21 12 06) 通常攻撃は覚えているものを1つだけ。「しゃあッ!! -- エリア (2012-03-16 09 40 19) ↑の追加。 エクゾーストは普通に「うぉぉぉッ!」だったような。連続失礼。 -- エリア (2012-03-16 09 42 05) オートリカヴァは「炸裂する…」→「緊急患者か?」だったぞ。 -- 名無しさん (2012-03-27 18 28 51) ↑追記 オートリカヴァの台詞ついでに確認、追加した。 -- 名無しさん (2012-03-27 18 32 11) バッドトインバリッド「試練はこれからだ!」、カースオール「窮しに喰らわれろ!」、リアクターチター「うまいようにやってくれ!」を確認。追加をお願いします。 -- 名無しさん (2012-06-24 22 16 45) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/nanadorakari/pages/91.html
テーマは「お前ら鬼畜ジェン爺好きだな!でも俺は普通のジェン爺も好きなんだ」 ……ごめんなさい石を投げないでください。以下読んでおくと分かりやすいキャラ設定 カエラ:第一人称。駆け出しローグ。 姉御:女サムライ。カエラの師匠。受け。 彼:ヒーラー。今回も空気。 ギルマス:メイジ。非常にによくでしゃばる。 あっちゃん:近所の子供(?)。後ろが透けて見えるほど影が薄い。 ニギリオのサブイベントに関する記述があります。実際にはありえない順序の部分がありますが お目こぼしいただけると幸いです。 「うー……」 「疲れてるねお姉ちゃん」 いつもの休日。 よく晴れたいい日だと言うのにベッドに突っ伏しているあたしは決して不健全な生活を送っているわけではない。 断じてない。 あたしの気力を根こそぎ奪うのは、ここ連日の竜狩りで蓄積された疲労なのだ。 「そーなのよ、ポータルが使えるようになってから毎日のように狩りに出かけるようになってさ。 体力が資本のハントマンとはいえさすがに応えるよこれ」 頭を上げ、窓枠にひじをかけて部屋を覗き込んでくるあっちゃんに答える。 「それにしても、休みの日には毎日来てくれるけどあっちゃん意外とヒマなの? ううん、迷惑とかじゃないんだけどさ。おうちの人とかどう思ってるかなって」 「パパとママは何も言わないよ。それに僕、ここから他へはいけないし」 「そうなの?」 「そうなの。それより、疲れてるなら慰安旅行とか提案してみたら?温泉とか」 「温泉かあ……一度行って見たいけど、無理だと思うなー。また船に乗らなきゃいけないし、 現地でもお金がかかるし、それに今が大事なときだからそんな暇無いと思うよ」 「そうかな。ギルマスの人が温泉行こうって思ってたよ、あ、いや、そんな顔してたよ」 「くすっ。どんな顔よー」 「いいじゃない、ダメもとで言ってみなよぅ。きっと連れて行ってくれるって」 「へーへー。じゃ無理だとは思うけど行って見ますかね」 そんなわけであたしは一階に降りる。 そしてギルマスと出会い頭に飛んできた言葉は、 「あ、いいところに。出かけるから準備して」 「また!?」 「慰安旅行に行くよ。聞いて喜べ、行き先は温泉宿だ!」 「えええぇっ!?」 あたしは二階に駆け戻ることになった。 ―――――――――――――――――――― アイゼン東、ニギリオの宿。 「はい到着ぁく!『皆様、長い船旅ご苦労様でした』」 「……それは何かの皮肉か?」 「ポータルを使って徒歩三時間だもんね」 そうなんだよね。さっき知ったことだけどこの隔絶された半島にはポータルが設置してあって、 割と簡単にここまで来れちゃったのだ。 「文句言わない!せっかくの温泉宿なんだから」 「それなんだが……おまえ何か俺達に隠してないか」 「……何のことかな」 「とぼけるな。私たちに装備を忘れるなと念押しした時点でモロバレだ」 薄笑いしながらワザとらしく目を背けるギルマスを姉御とリーダーが目で問い詰める。 「…… フハハハハハハハハ! 実はこの近くのドーマ火山に帝竜がへぶっ!?」 姉御がどこからとも無く取り出したハリセンをギルマスの顔面に叩きつける。 リーダーの「そんなことだと思ったぜ」という嘆息が漏れた。 「あつつつつ……いつの間にそんなツッコミスキルを取得したんだい」 「黙れボケが。日ごろの疲れを取るための慰安旅行と言いつつ到着したら 実際には大物退治をさせようなどとお前には人間の血が流れていないのか」 「あ、休暇はほんとだよ?今日はゆっくり休んで、明日はドーマ火山で溶岩をせき止めて 熱を火山内に溜め込んでる大物ドラゴンを排除。で、明後日僕たちはより暖かくなった温泉に浸かり、 溶岩から力を受け取れなくなった帝竜は例の英雄さんたちが倒してくれる、と」 「結局のところまたサポートなんですね」 「まあね。ともかく間にドラゴン退治が挟まってるだけだし、せっかくの温泉なんだから楽しんでよ」 「しゃーないな、行こうシンシア」 リーダーと副長が、姉御が、姫ちゃんが思い思いに宿の門をくぐっていく。 あたしも後を追おうとしたところでギルマスに呼び止められた。 「ちょっと」 「はい?」 「一つ注意しておきたいんだけど、この宿は表向きひなびた温泉宿だけど 裏では色々な闇の仕事が行きかう場所だから注意して欲しい。 特にここの主のジェンジェン翁は小物のフリして本物の極道だから気をつけてね」 「あ、わかりました」 「うん……ここは、人の汚さが見える場所だ」 「……?」 ―――――――――――――――――――― ほっかほっかぴっかぴっかつるつる、るん。 温泉っていいね。 なんてったって足を伸ばしてゆったりと入れるのがいい。 それと湯上りのコーヒー牛乳がまた格別で……なんかオヤジ臭いかな? 他に感動したのは畳だね。 眠るにはちょっと固いけど寝転ぶだけであんなに心地いい床材ってのはなかなか無いんじゃないかな。 カザンに来たサムライがわざわざ畳を一枚だけ買って洋間に敷いたって話を聞いたときには笑ったけど、 あれなら無理ないよね。 さて次は彼を探し出して一緒に卓球でも…… と、そこであたしは向こうから知らない人と連れ合ってやってくる姉御を発見した。 「青眼か、確かにそりゃあたいの眼中には無かったねぇ」 「小生も詳しいことは分かりませんが、敵の攻撃を弾くのに適した型とのことでした」 ……言葉遣いが変だ。ショウセイ? 「やっほう。姉御ー」 とりあえず声を掛けてみることにした。 「ん、カエラか」 こっちが姉御。あたしの師匠で、ギルドのサムライ。 ちょっとした事件があってここ半月ほど口を利いてくれなかったが最近は元通りだ。 「おや、お仲間かい?」 そしてこっちは。 「……きつねさん?」 ぺし。 叩かれた。 「……失礼だろうが」 「あはは、よく言われるよ」 その人はやっぱりお侍さんで、頭の上にその髪と同じ色をしたふわふわの耳があった。 エデンの人間なら誰だって知っていることだけど、この星の人間はヒトとルシェ、二つの人種に分かれている。 東大陸には主にヒトが、西大陸には主にルシェが住んでいて、人口は大体とんとん。 ウチのギルドには一人もルシェがいないんだけど、ルシェは比較的身体能力に優れ、また頭脳にも優れ…… ……あれ?ヒトが勝ってるところって、どこ? ともかく、その人はルシェ女性の証である耳を持っていた。 「これが小生の所属するギルドのカエラです。……こちら、先程知り合った方だ」 「あ、よろしく」 「よろしく。それにしてもなんだ、従者さん付きとは結構やるねえ」 その狐侍さんが愛想よくにへらと笑う。 あたしを指差してそう言うと姉御はとんでもないとばかりにぶんぶん首を振った。 「滅相も無い。小生は従者を連れられるほどの熟者ではありませぬ故、これは単なる後輩になります」 「そうなのかい?」 「あ、はい、まあ。あたし悪事してとっつかまったクチなんで。 で、しばらく稽古をつけてもらったのが姉御」 「ふうん。ま、立ち話もなんだし、そこの休憩所に入らないかい?」 「お待たせしました、きつねうどんです」 「おお、お待ちかね」 「……(ねえ姉御、この人やっぱりきつ)」 「(やめんか、失礼だろうが)」 あたし達は休憩所に場所を移し、お互いの旅の話を聞かせあっていた。 「しかしね、世界中を駆け巡って竜退治ってのはいいね。なかなかできることじゃないよ」 「それ言ったらそっちの、東大陸中を一人旅の方が凄いよ。仲間はいないの?」 「あたいは代々サムライの家系なんだけどね。仕える主人が見つからないもんで こうして旅をしてるのさ。ここに来たのはまあ、物見遊山なんだけどね」 たぶんかなりの凄腕であるだろう狐侍さんは、そう言って頭をかいた。 むう。こうして見るとそうは見えないんだけどなあ。 「サムライの家系というと、御身はアイゼンのお生まれで?」 「そうさね。いや、昔はちゃんと仕える家があったんだよ?あたしも小さい頃はそこへ奉公に出たもんさね。 そこの家ってのが、奥さんと嬢ちゃんはいい人だったんだけどご主人が偏屈でね、その上ドケチ! ……ま、あの家がなくなってしまった今思い返せば割と楽しい一家だったかね」 「仕える家……ですか」 「サムライなんてのは大概何かに仕えるもんさね。それは主人だったり、剣の道だったりするけどね。 あんたは何に仕えてる?」 狐侍さんが姉御に問うた。 姉御はあごに手を当てながらしばらくゆっくりと頭をめぐらせ、ぽつりと言う。 「仲間……の命を守るという義でしょうか」 「あっはっはっは!よく言った、あんたいいルシェだね」 「?」 あたしは、そしてたぶん姉御も、疑問の意味で視線を返した。 どう見てもヒトにしか見えない姉御がルシェ? どういう意味だろう。 あたし達の表情に気付いたのか、狐侍さんが説明に入る。 「あ、いやそういう意味じゃなくってね…… なんていったらいいかな。 ……そうだ。いいかい、ヒトという言葉には……」 「あ、それ知ってる!『人という字は、人と人とが支えあって出来ているのです!』」 「……」 「……」 「……ヒトという言葉には、種族の名前である『ヒト』という意味と、心を持った 一つの人格であるという意味の『人』という意味の二つの意味があるんだ」 「ごめんなさい」 ものすごい赤っ恥をかいた。 まあまあと狐侍さんが肩をたたいて、続きを語り始める。 「そしてルシェにも、種族の名前である『ルシェ』とルシェの本質であるものを備えた人格である意味の『ルシェ』がある。 和を尊び、豊かな心で生きることを美徳とするのが『人』なら、 仲間のために命を張り、散った命は仲間が受け継いで先に進むのが『ルシェ』だ。 ということは、『人』であるルシェがいるのは当たり前だし、 『ルシェ』であるヒトがいたって何もおかしくないだろう?」 「はえー、なるほど!」 「恥ずかしながら小生も今まで知りませんでした。 思い返せば西大陸に行ったとき、強大な敵に立ち向かったヒトのハントマンにネバンの戦士の長が 『お前たちも立派なルシェの仲間だ』といっておりましたがあれはそういう意味だったのでしょう」 「ん。まあ、そういうことさね。 ……だから、昔はルシェであること、ヒトであることに大して意味なんて無かったんだ」 それまで快活にしゃべっていた狐侍さんが急に遠くを見るような顔で言い、 あたしと姉御は顔を見合わせた。 「……ちょいと、聞いてもいいかね。世間ではまだ、『アイゼンではルシェを差別する風習がある』 なんて噂がまかり通っているのかい?」 あたしと姉御はもう一度顔を見合わせた。 「噂が流れているというか」 「アイゼンでそう聞いて以来、すっかりその通りだと」 だんっ! 「アイゼンにそんなバカげた風習があってたまるもんかね!!」 突然の剣幕にあたしは若干ひるんだ。 狐侍さんはそれに気付くと、恥ずかしそうに頭をかいた。 「……あ、ああ、すまないね。本当にすまない。あたいとしたことが……ふぅ」 「失礼を申したのは小生のようですのでお気になさらず。 それより、今の事を詳しくお伺いしたいのですが」 「ん、ああ。そうさね、あんた達の仲間にルシェはいるかい?そのルシェが、アイゼンで他の仲間と比べて 悪い扱いを受けたなんてことは。もしくはルシェだけのパーティーが見下されたなんてことは? ん、いないのか。……まあ、一部にはそういったのもいたかも知らんがね。 表通りを歩く人たちでそんな手合いはまずいないはずだよ、少なくとも形式上はだ」 「ほう」 「考えてもごらんよ?岩と竹林ばかりの荒れた土地に、ルシェとヒトとが手を取り合い、 王が先頭を切って拓いたような国で、どうして民の半分を奴隷にしようなんて考えが出るもんかね」 「あ……」 「アイゼンの階級の最下層がルシェとされているのは、ルシェがサムライだった頃の名残さね。 西のルシェは孫子のために死に、東のルシェは主のために死ぬ。その頃の多くのルシェはサムライだったんだ。 だから自然とヒトを主とするルシェは増え、主人と従者という関係はヒトとルシェへと移り変わっていった。 ……あたい達は支配されていたから最下層になったんじゃない、サムライである事を選んだから ヒトの下に着いたんだ。それはミロスの言うような悪習じゃない、アイゼンの文化だったんだ!」 「アイゼンのルシェの誇りですか」 「そうさ。奉公だってそうやって出来た仕組みでね、生まれたときからヒトとルシェが一緒に生活し、 階級の差はあれど心には差なんてできない。一つの民として暮らしていたんだ。 まあ、長い歴史の中で感覚の麻痺してしまった貴族もいた。そういった貴族は平民を足蹴にし、 最下層のルシェを生まれつきの使用人と勘違いして横暴を尽くしたりしたがね、 それでも大体のところアイゼンは世界で一番、ルシェとヒトが共に生きる国であり続けた。 ルシェとヒトはお互いにいたわりあいねぎらいあい、子供達は人種など気にせず遊び、 奉公の子供がお使いに出れば肉屋の主人がいつも偉いねえといっておまけしてくれる。 そんな国だったんだ。……主人と使用人という垣根を越えて恋に落ちるものも多かったんだよ?」 「え、そうなんですか?」 「おお。ルシェの男は皆男前だし、ルシェの女は……あたいを見りゃ分かるだろう?」 このかわいい耳でどんな男もイチコロよ、とのたもう狐侍さんにあたし達は笑い、空気が少し明るくなる。 「っと……それがどうして今みたいなことになったんだか、今のアイゼンはどっかおかしいんだ」 「貴族と平民の間に大きな軋轢ができ、城下町が二分していましたね」 「うん。おかしくなり始めたのは四十年位前からかね。貴族の上のほうで腐敗が始まると同じくらいに、 アイゼンでのルシェとヒトの関係をどう勘違いしたんだか社会ダーウィニズムにかぶれた奴らが アイゼンの商売の基盤を侵し始めたんだ」 「(ねえ姉御、しゃか……ってなに?)」 「(ダーウィンの進化論を弱肉強食の意味に曲解し、更にそれを社会に当てはめて、社会は強いものが 生き残るのだから強者は弱者を搾取しても構わないのだという結論に仕立て上げた考えのことだ)」 「それまで仲良くやってたのが競争しなきゃ生きていけなくなる。 上からは階級間の礼を厳格に守るよう圧力がかかる。 そうなるとまず生まれた子供達が染まるのさ。子供が染まったらおしまいさね、 アイゼンの未来をになう土台が侵されたってことなんだから。 そうやって国全体が段々腐っていって今じゃアイゼンは民の心が荒みきった国に成り果ててる。 今の若いのには昔からルシェとヒトには格差があったと思い込んでるのも多いんじゃないかね」 「そうかも……しれませんね」 「しっかしね、困ったもんだ。現状を抜け出すには昔のアイゼンらしさを思い出すほか無いってのに、 ミロスなんかは逆にアイゼンの文化を取り払って平等主義を取り入れるべきだなんていってやがる。 その平等とやらをタテにして貧民やらルシェを食い物にしてる奴らがいっぱいいるってのにね。 ああゆう手合いはどこから流れてくるんだ、やっぱりカザンかね?」 「カザンに本拠地を置くものとしては耳に痛いことです」 「あや、そいつは悪いことを言ったかね」 「いえ、カザンのような新興国には数え切れない功罪があると思っております。 アイゼンを毒しているのはその罪の部分でしょう」 「………」 あたし達の間に何ともいえない沈黙が落ちた。 すっかり冷めてしまったお茶をすする。 「ま、でもね。実を言うとあたいはそんなに心配してないんだ」 「ほう、というと」 「さっきはあんなこと言ったけどね、今でもアイゼンでは貴族と貧民の格差こそあれ、 ルシェとヒトには大きな隔たりは無いだろう?無論、一部のいがみ合ってる奴らを除いて」 「そーだね……?うん、貧民を見下してる人や貴族を憎んでる人はいたけどルシェが嫌い、 ヒトが嫌いって言ってる人は少ししか見なかったし、病気の主人を一生懸命看病する ルシェの人がいたけど、あれはいい関係に見えたよ」 「そいつはよかった。ルシェとヒトが手を取り合ってる限り、あの国は元に戻るよ。 なんてったってアイゼンはそうやってできた国なんだから」 狐侍さんはそういってお茶をすすり、そして 「すいません、きつねうどんもう一杯」 ……うどんをお替りした。 「さて、ずいぶん長くしゃべったねえ」 「あの、一つ聞きたいんですけど、何十年も前のことよく知ってますよね。 ……おいくつなんですか?」 「こら、失礼だろうが」 「聞きたいかい?ちょっと耳を貸しな」 そういって狐侍さんはあたしの耳に口を寄せる。 「(ごにょごにょごにょ……)」 「え、ええええええええぇぇぇ!?」 「なっ!?なんて言われた!?」 「え、あ?……失礼だっていったの姉御じゃないですか」 「むぐっ……」 「あっはっはっは!……さて、今度はあんた達の話、聞かせてくれるだろ?」 ―――――――――――――――――――― アイゼンの東、ニギリオの宿。 火山の噴火によって溶岩で隔絶されてしまったこの場所には、様々な闇の仕事が舞い込んでくる。 それらを管理し、そして暗躍するのがこの宿の主であるジェンジェン爺であった。 時にはマフィア同士の抗争を仲裁し、時には裏のルートを仲介する。 特に重要なのがこの裏ルートであった。 一般に出回らないような高級食材を始めとし、 普通の商店が見向きもしないような名も無きルシェの逸品は裏のルートを通ってその性能ゆえに 高額で売買され、某国の大統領の手にさえ渡る。 プレロマからリークされた機密情報は激しい情報戦の末、北の大賢者の下へ。 貰い手のないかわいい犬、猫、そして牛は冒険者の癒しとしてギルドハウスへと。 もし裏の商品を見つけたなら、それは九割方ジェンジェン爺の手によってもたらされた物だと思った方がいいだろう。 そして今日もここで、とある闇の取引が行われようとしていた。 「ヒョッヒョッヒョッ……いつもすまないのう……」 「いえ……私の商品が広く出回るのもジェンジェン大人のおかげ、当然の心配りと」 ジェンジェン爺の相手をしているサングラスをかけたルシェの男、裏の商品を扱う者たちの中でも 最も成功し、いまや全世界をその商売の相手としている男が言った。 「うむ、よい心がけだ。更なる商売繁盛を願っておるぞ……?」 男が渡していったのはその商品、全世界の二十人に一人が持つと言われるその商品こそ、 「ケッケッケッケ……」 『大人の絵本』であった。 もう一度言おう。 もし裏の商品を見つけたなら、それは九割方ジェンジェン爺の手によってもたらされた物だと思った方がいいだろう。 ―――――――――――――――――――― あたしは彼を探して歩いていた。 手に持っている茶色い紙包みは、さっきの狐侍さんからもらったアイゼンの医学書だ。 あたいには無用の長物だからといってくれたこの医学書は、しかし高価でなかなか手が出ない代物のはずだ。 ヒーラーの彼ならきっと喜んで受け取ってくれるだろう。 328 名前:駆け出しローグの日記 ニギリオにて 6/13[sage] 投稿日:2009/04/19(日) 03 37 54 ID qhgSdAkt そんなことを考えて宙に着かない歩きをしていたもんだから、 「あわっ!?」 蹴躓いてすっころぶのも仕方ないというものだった。 「のわっ!?」 向こうからお爺さんの驚いた声が聞こえた。 起き上がり、右手に持った紙包みを吹っ飛ばしていることに気付いたあたしは茂みの方を覗く。 そこには何かを探すように辺りを見回すおじいさんがいた。 「えーと……すい……ません?」 さっきの声といいたぶんあたしの手から飛んだ包みが原因だと考えるべきだろう、一応謝っておく。 「む?お前か!いきなりわしの大事な荷物を吹っ飛ばしてからに!」 あ、やっぱり。 それ以上話しかけても怒られそうなので、あたしも自分の包みを探す。 方向的にはこっちの方に…… 「「あ」」 あった。 柔らかい草の上に、茶色い包みが落っこちている。 「あー、よかった……」 「やれやれ……」 そして。 「「……」」 その包みに、同時に手が伸びた。 「……ちょっと、何よ」 「それはこっちのセリフじゃ!お前こそ……ふん」 「あっ!」 ……取った!! 「ちょっ!何すんのよ!」 取り返す。 「お前こそ何を!」 取り返し返される。 「これはあたしのよ!!」 「なにを言うか!!」 取り返し返し返……そうとして引っ張り合いになる。 「んぎぎぎぎぎぎぎ………」 「ふぐぐぐぐぐぐぐ………」 と、そのときやっぱり掴み方が甘かったのだろう、あたしの手から包みがすべる。 「ふおっ!?」 お爺さんが後ろにバランスを崩し、包みが吹っ飛んだ。 吹っ飛んだ包みはそこにいたお昼寝中の犬の鼻先に飛んでいき…… 「?」 犬にくわえられた。 「あっ、こら!」 「やめい!傷がつく!」 慌てて取り上げようとしたのがいけなかった。 驚いた犬は一目散に逃げ出してしまったのだ! 「なっ……」 「待てぇーー!」 包みをくわえた犬が庭を走る。その後を並んで走るあたしとお爺さん。 「何でついてくんのよ!あれはあたしのだって言ってんでしょ!」 「何を言うか!あれはわしのものじゃと言っとろう!せい!」 「きゃっ!?」 二人とも走っているにもかかわらず、見事な足払いであたしは足をもつれさせる。 「わっ!とっ!とっ!とっ!……こんちきしょーー!!」 「ちぃ、しぶといやつめ!」 頭に来たあたしは全力でお爺さん……ああもうじーさんでいいや、を追い抜きにかかる。 並走したまま小競り合いを続けながらだ。 逃げていく犬は庭の突き当たりで泊まるかと思いきや、廊下に飛び乗ってさらに逃げ始めた。 「ああ!泥だらけの足で廊下を!」 急いで靴を脱ごうとするじーさんを尻目に、あたしはジャンプ。 空中で靴を脱いで両手に掴み、そのまま廊下に着地して後を追う。 「ぬおっ!?」 これで引き離せると思ったけど、じーさんは意外とすばやく追いついてきた。 「おのれちょこざいなぁ!」 「さっきの足払いといい意外とやるわね……でもこれで差をつけてやる!」 廊下の向こうに水面が見えた。 建物を正方形に切り取ったようなスペースに、高級そうな鯉が泳ぐ池が作られている。 池をコの字型に迂回する廊下の直前で、あたしは左斜め前の柱に向けて跳ぶ。 垂直な面に着地するようにスピードを殺し、さらに垂直にジャンプ、廊下に着地する。 そうやってあたしはスピードをまったく緩めることなく90°のカーブを走り抜けた。 「はっ!さすがにこのマネはできないでしょー!」 しかし勝ち誇って後ろを見たあたしの目に飛び込んできたのは、更に上を行く光景だった。 「ヒョーッヒョッヒョッヒョッヒョッヒョッヒョッ!青いのう!」 「い、池の上を走ってるぅ!?」 水面を高笑いしながら走るジジイ、という悪夢のような光景に気力を奪われながらもあたしは走る。 大きく迂回したあたしと直線を走りぬけたじーさんでは差がつくしかなく、水面から廊下に飛び乗って 走り去ったじーさんに遅れること数秒、コの字カーブの終わりに達したあたしはそのからくりを知ることができた。 池の中に、水面ギリギリに平らな石がいくつも沈めてあるのだ。 石の場所を覚えておき、追っ手がかかったときなどに利用する仕掛けだった。 こんなことを知ってるなんて……あのじーさん一体何者? ともかく、これであたしは大きく差をつけられている。 何とかしてじーさんを足止めしないと……と、そのときじーさんの先に歩いてくる泊り客の一団が見えた。 これだ! すう。 「きゃー!その人痴漢!捕まえてー!」 「なっ!?何じゃと!?」 しめた! ガタイのいい男の人が、事情を呑み込めず戸惑いながらも通路をふさぐ。 「何をする、どかんか!」 「いや、でも……」 「痴漢された本人が追って来るものか……あっ!!」 「おっ先ぃ!」 じーさんを追い抜かし、廊下の突き当りを飛び降りて走るあたしの目に行き止まりでおろおろする犬の姿が見えた。 「袋の鼠よ!おとなしく本を返せえっ!」 近付いてくるあたしに気付いた犬は慌てて走り出し、そして…… ……犬のくせに転ぶなぁ! 「あっ!」 犬の口から離れた本は行き止まりの竹垣の下を通って向こうにいった。 竹垣には扉がついてるけど鍵がかかってる。よじ登って越えていくしかない! しかし、竹垣に取り付いてよじ登り始めた間もなく、じーさんが追いついてきた。 「行かせるものか!」 「わあっ!」 足を掴んであたしを引きずり落とし、今度は自分がよじ登ろうとする。 こんちくしょう! 起き上がるなり今度はあたしがじーさんを引きずり落とす。 「ぬあっ!」 「このっ!」 「ふぬっ!」 「こいつ!」 お互いに邪魔しあって取っ組み合いになったあたし達は、埒があかないと悟るとばっと離れた。 油断なく相手を見、相対する。 「どうやら……戦って決着をつけるしかないみたいね……」 「わしに挑むか、愚か者めが!身の程を知るがいい!」 あたしは両腰の短剣を抜き放ち、投げる! 「しっ!せい!」 「ぬっ?」 真横に投げた短剣は、竹垣の隣の柱に仲良く突き刺さった。 姉御の無手を真似て、構える。 「さあ、行くぞ!」 「素手でわしに挑むとは、その意気や良し!褒美に勇気と無謀は違うということを教えてくれるわ!」 「ほざけ!」 じいさんが構えた。……なんだこのインチキ臭さ…… とはいえ油断は禁物、慎重に隙を探って…… やけに大きな羽音が聞こえてきたのはそのときだった。 「え?」 竹垣の向こう、このあたりでよく見るフクロウの魔物が降り立って…… ……だからなんでその包みを狙うの!? フクロウが紙包みを掴んで飛び上がった。 「あっ!」 「隙ありぃっ!!」 「え、ふぎゃっ!?」 しまった! じーさんのインチキ臭い飛び蹴りを喰らい(ちっとも痛くないんだけどなんだろうこの腹立たしさは)、 すっ転んだあたしを尻目にじーさんは竹垣を越えて言った。 「ああもう、ちくしょう!」 あたしは三動作で竹垣を飛び越え、全力で後を追う。 ―――――――――――――――――――― 「……あ、フクロウだ」 「んー?あれ魔物じゃねーか?」 ニギリオの宿の裏庭で、のんびりと掃き掃除をしていたルシェの子供が飛び去っていくフクロウを見て言った。 「悪さをしないなら放って置きなさい、それより真面目に仕事をしないとご主人に怒られるぞ」 「はっ、あんなケチジジイが怒ったって怖くも何とも……」 「待てええええええい!!」 「うわゴメンナサイ!」 温泉宿に相応しい静けさは突然の乱入者によって跡形も無く粉砕された。 いや、乱入者というのは語弊があるだろうか。 なにしろ騒々しく裏庭を突っ走り、使用人達に目を剥かせたのはこの宿の主なのだから。 「ジェン爺!?」 「どけどけどかんか、跳ね飛ばすぞ!後ろから来る小娘を足止めしろ!」 「ジェン爺一体どうしたんです!?」 事情を理解できない年長のルシェが説明を求めるが、一刻を争うジェンジェン爺はそれを一蹴した。 「ええい、お前たちは黙って従っておれば良いのだ!早くせんか!!」 「りょ、了解!」 ジェンジェン爺を見送って背後を見る使用人達の視界で、黄色い髪を揺らしたローグが走ってくる。 裏庭を走るカエラの前に現れたのは、老若男女、いかにも仕事中ですといった風情の使用人たちだった。 「え?なに!?」 「ごめんね!」 一致団結、年代も体格も違うルシェ達がお互いに庇いあってとおせんぼするその光景は微笑ましいものだったが 今のカエラにとっては非常に厄介な光景であった。 「ちょっ……通して、通してってば!」 「すまないがここは通せないよ、別の道を回ってくれないか」 「なんでよ!?今ここをへんなじーさんが通って行ったでしょ!!」 年長のルシェがやんわりと諦めさせようとするが、焦るカエラは聞き入れようとしない。 人の壁に突っ込んで無理やり押し通ろうとするカエラの視界に、あのフクロウを掴みかかるジェンジェン爺の姿が移った。 「あ……!」 片足に包みを掴み、もう片足をジェンジェン爺に握られたフクロウは必死に暴れて逃れようとする。 「ええい、この、ぷわ!……暴れるな!その包みさえよこせばいいのだ!」 手の届かないところで大切な荷物を奪われ、持ち去られようとしている。 カエラはこれ以上なく焦り、自分でも気付かぬ内に叫んでいた。 「お願い、通して!あれは大切なものなの……彼にあげたいものなの!!」 その真剣さに使用人たちは一瞬ひるみ、ジェンジェン爺ははあっ!?という顔をしてその拍子にすっ転んだ。 「……っ!」 「あっ!」 使用人たちがひるんだ隙を突き、カエラは彼らをすり抜けて走り出す。 一方慌てて起き上がり、フクロウを追おうとしたジェンジェン爺は、一人のルシェの子供に抱きつかれた。 「んな!?何をする!?」 「ジェン爺!いじめちゃだめだよ!あのお姉ちゃん、大切なものだって言ってたよ? 取り上げちゃ可哀想だよ!!」 「おい!ご主人にそんなことをしては……」 「何を言うか!アレは……ええい、離さんか!」 純粋な瞳に見上げられてジェンジェン爺は焦り、周りの使用人たちはうろたえる。 しかし、フクロウを追って走るカエラを目にしたジェンジェン爺はもう少女に構っていられなくなった。 「離せ!離せといっておろう、ええい……離さんかっ!!」 「きゃんっ!」 少女を突き飛ばして後を追おうとしたジェンジェン爺は、次の瞬間足を引っ掛けられてすっ転ぶ。 「ぬあっ!?」 「ああごめん!俺の脚ちょっと長すぎてさ!」 「ええい、何のつもり……」 「通りまーす、ご注意ください」 「ぐおはぁっ!?」 立ち上がろうとしたジェンジェン爺を、さらにやってきたシーツを積んだ台車がはねた。 「ああ、ジェン爺大丈夫ですか!?」 転がったジェンジェン爺が、よろよろと立ち上がりながら怨さの言葉を吐く。 「きっ……貴様ら……本当に何のつもり……」 「ってかさ、お客の荷物を取り上げるのは絶対ダメだろ!? 単にドケチなだけだと思ってたけど何考えてんだよ!ますます見損なったぜ!」 「ぬっ!?だ、だから違うといっておろうが!アレはわしの物で……」 「アレってなんだよ!」 「そーだそーだ!」 周りを見回したジェンジェン爺は使用人たちの間にとんでもない誤解が広がっているのを悟る。 客の荷物を奪ったと勘違いされ、さらに大人気なく小さな子供を突き飛ばしたジェンジェン爺を見る 使用人たちの視線は一部を除きどれもこれも絶対零度の温度だった 「ぬう、アレは……その……アレだ!!ええい、退かんか馬鹿者共めがぁ!!」 「うわっ!」 走り去っていくジェンジェン爺を見送るルシェたちはお互いに顔を見合わせた。 一部の者は他のものを思い留まらせようとするが、しかし多くは頷きあう。 彼らは誰からともなく掃除用具を置き、ジェンジェン爺の先回りをするように走り出していった。 カエラはフクロウを追いかける。 幸い重い包みを持ったフクロウは高く飛ぶことができず、走って追いかけることができる。 門を抜け、折り返して走るカエラの耳に塀の向こうからゆかいな騒ぎが聞こえてきた。 「むあっ!?」 「ああ、間違えて床に使うワックスを撒いちゃった!」 「うああっちゃあ!!」 「芋を焼く焚き火にジェン爺が突っ込んだ!!」 「ぬおお!?」 「あっ、今夜のお夕食に出すイキのいいタコが!」 「あつつつ、あつっ、あつ!?」 「今夜のお夕食に出すカニが!」 「あつ……ぬおおおあぐええああう!?!?」 「きゃあ、今夜のお夕食に出すスカイフィッシュが!!」 「わざとらしいわーーー!!!」 「総員、配置!決して通すな!」 「ラジャー!」 「皆、生きて帰ろうぜ!」 「俺、この戦いが終わったら結婚するんだ……」 「開き直るなーーーーー!!!!」 聞こえてくるカオスに耳を傾け、カエラは思う。 ――皆、ありがとう。 ――でも、ジェン爺ってどっかで聞いたような。どこだっけ? 「さっきから何の騒ぎだろ……?」 裏庭の近くを散歩していたメイジは、先程から聞こえてくる騒ぎの出所が近いことを知って足を止めた。 そんな彼の目の前に、突然角から煙を上げるタコとカニとスカイフィッシュと人の合体物が転がってきた。 「……なんだぁ!?」 落ち着いてそれを観察し、それが色々な物に食いつかれたヒトの老人だと分かると彼は声を掛ける。 「もしもし、おじいさん大丈夫?火がついてるよ?」 「ぬ……おおおう……おのれえ……」 「おじいさん?おーい。燃えてるってば」 「おのれ……おの……」 「もしもーし、燃えてますよー」 「ナメくさりおって……この……この……」 「おーい。燃え……」 「おのれえええ……」 老人は顔を上げた。 「げっ!?」 それがこの宿の主であるジェンジェン爺であったこととその形相の凄まじさに、メイジは二メートルほど飛び退る。 そんな彼に気付きもしない様子でジェンジェン爺はゆらゆらと立ち上がった。 事情を飲み込めないメイジの前で、ジェンジェン爺は静かに怒りをたぎらせる。 「散々……コケにしおってからに……」 「あ、あの」 「このジェンジェン爺を……ナメるでないわぁーーー!!!」 「うわっ!?」 怒りの咆哮と共に真っ白い塀に向かってダッシュし、ジャンプする。 塀に張り付いたジェンジェン爺は、ゴキブリのように塀を這い登っていき、向こうに消えた。 後にはメイジだけが残される。 「……なんだったんだ……」 カエラは驚愕した。 もう追いついてはこれないだろうと思ったあの老人が、 自分ですら道具を使わないと登れないような高い塀を飛び越えて現れたからである。 唖然とするカエラを一瞥すると、老人は一目散にフクロウを追って走り出す。 「あ、こら!」 我に返ったカエラはすぐに後を追った。 「待ぁーてー!」 老人は追ってくるカエラをちらりと振り返ると、おもむろに何かを引っぺがした。 そして距離をつめ、その襟首を掴もうと手を伸ばすカエラに放る。 「ふん」 「わぷっ!?」 それは生きのいい大きなタコだった。彼(?)は見事にカエラの顔面に向けて命中し、へばりつく。 「あ、わ、たっ、こら!」 視界をふさがれたカエラは大慌てし、次の瞬間、前方にあった池の縁石に足を引っ掛けた。 「えっ?―――きゃああああぁぁぁぁっ!!!!!」 カエラはそのままの勢いで宙を舞い、その直後、頭から池に突っ込んで派手な水しぶきを上げた。 勝った。 後ろから聞こえてくる水しぶきの音を聞き、ジェンジェン爺は自らの勝利を確信した。 あとはあのフクロウから包みを取り返せば全てが終わる。 足を速めるジェンジェン爺の見る先で、フクロウは前方の蔵の中に飛びこんでいった。 しめた!蔵の中にさえ入ればこっちのものだ! 完全勝利に向け、ジェンジェン爺は最後のスパートをかける。 そして蔵の戸へ向け、ジェンジェン爺は地を蹴った。 「袋の……」 扉へ向かい、その右足が思いっきり突き出される。 「フクロウじゃーーーーー!!」 ジェンジェン爺は蔵の扉を蹴り開けた。 けたたましい音を立てて扉が開き、その勢いのまま跳ね返ってジェンジェン爺の後ろで閉まる。 そしてジェンジェン爺は、 「むがっ!?」 干しわらの山に突っ込んでいた。 「ぺっ、ぺっ!農具倉庫か!?」 そのとき、頭上で羽音がした。 頭上で、フクロウが倉庫にあった一つの袋を蹴って小窓から逃げていく。 見上げるジェンジェン爺の上に、袋からこぼれた大量の石灰が雪のように降り注ぐ…… ※粉塵爆発(ふんじんばくはつ) 文字通り空中を漂う多量の粉塵が引火し、爆発を引き起こす現象のことだ。 狭い場所、密閉した場所では破壊力が増すだろう。 ドラゴンの爆殺にも使えるので存分に活用するがいい。 私も一度ハデにやってみたいものだ、クックックックッ………(byプレロマの偉い人) ―――――――――――――――――――― あたしは放心して、蔵が吹っ飛ぶ非現実的な光景を眺めていた。 辺りの使用人たちもただ呆然としてそれを見ている。 ……ざっぱん。 振り返ればあのじーさんが池に突っ込んでぷすぷすと音を立てていた。 それを見て、そして、上を見上げるあたしの頭上で、あのフクロウが旋回してる。 何かが落ちてきた。 それを受け止めてみれば、それはあの茶色い紙包みだった。 「ぐおおおお……」 じーさんが呻きながら起き上がる。 だけどただ、色々と気力を失ったあたしは紙包みを破った。 茶色い紙を取り払い、中の本を取り出す…… …… 「きゃあああ何よコレっ!!」 ようやく顔を上げたじーさんは、その瞬間にあたしがぶん投げた本の表紙の女の子と熱烈なキスをして、 そのまま池の中にぶっ倒れた。 「おーい、あったかー?」 「見つからないよー」 いつの間にやら夕暮れ時。 あたしは最初に転んだあの場所で、自分の包みを探している。 「あの……本当にいいの?あたしのせいでものすごい迷惑かけちゃったのに、手伝ってまでもらっちゃ……」 「いいっていいって、好きでやったことだからな」 「俺達全員晩メシ抜きだけどな。まあおかげで糞ジジイの面白いところが見れたからいいや」 「そーそー……お、これじゃねえか?」 「ちょっと見せて……うん、間違いない。本当にありがとう」 「そりゃよかった。おーい、見つかったぞー!」 「ほんとかー?」 「うーん、疲れちゃったわ」 「良かったねお姉ちゃん!」 「うん……本当に、本当にありがとう。そしてごめんなさい」 集まってきた使用人の人たちに頭を下げると、皆口々に気にするなといってくれた。 「こっちこそ加勢しなくて申し訳ないわ。私家族に仕送りしてるから万が一でも減給されたりすると……」 「うわ、やなこと思い出させるなよ。うう、減給はまだしもクビとかねーよな……?」 「……その点に関しては心配ないよ」 やってきたのはギルマスだった。 手には大きな包みを提げている。 「最初は減給しかねない剣幕だったけど、皆お客の荷物を奪うのは宿としてまずいと 思ってただけだって説得したら、しぶしぶ取りやめたよ。 ま、原因がアレだしあまり言えないんだろう。もうこの件には触れないほうがいいよ」 「よかった……」 「ちぇっ、なにかあったらアレをネタにしようと思ったのに」 「本当にお前という奴は……」 「だめだよ、よくわかんないけどジェン爺恥ずかしいんでしょ?いじめたらダメだよ」 「あーはいはい、お前は優しいな」 様々な反応が返ってくるのを受けて、ギルマスは更に包みを差し出した。 「で、ついでに食事を抜くのは明日の労働効率を著しく低下させるって言ってみたら、 『それならこれでも食わせておけ!』だってさ。はい、どうぞ」 「おお、メシがあるのか!ってなんだ、マンジュウ一個かよ…… ……うわっ、しかもこれ何も入ってない素マンジュウだ!」 「文句言うな」 「だってよー、これじゃ量ってもんが……」 「私の分……食べる?私小さいから……」 「ば、ばか!何言ってんだ、お前が食べろよ!」 「そうだよ、小さいからこそお前はちゃんと食べなきゃ」 あたしは申し訳ないやらなんやらで何も言えずにいた。 そんなあたしにギルマスが、もともと多くもないあたしの荷物を手渡す。 「で、だね。まあぶっちゃけ、僕達は追い出されることになった」 「あいたー。それってやっぱり……」 「まあね。騒ぎを起こさないようにって言ったのに……」 「だって、知らなかったんだもん!しょうがないでしょ?」 「まあ、ね。とりあえずもう行くからお別れの挨拶を」 使用人さんたちに別れを告げ、ギルマスと連れ添って歩く。 ギルマスがぽつりと言った。 「楽しそうだったね。……君もルシェたちもジェンジェン翁も」 「ジェンジェン爺は必死だっただけだと思うけど」 「僕は、ここは人の汚さが見える場所だっていったよね。 実は僕、前にもここに来たことがあるんだ。あの時はメイドの一人を ハントマンのギルドがこっそり連れ出すところに出会った」 「へえ……」 「僕は最初ルシェ達が奴隷のように働かせられているのを見て嫌になった。 次にそんな大勢の中から一人を選んで救い出すようなことに嫌になった。 そしてその後に見たルシェ達の醜い足の引っ張りあいに嫌になった。 それで連れ出される彼女が最後に吐いた毒のこもった捨て台詞で嫌になった。 そして最後に、一番醜いのは勝手に同情したり裏切られた気になったり嫌な気分になったりしてる 僕自身だと気付いてほんとのほんとに嫌になった。彼らは最初から自分を偽ってなんかいなかったんだ」 「うわ……そりゃまた……」 聞くだけで気が滅入りそうな話だ。 深く物事を考えるたちのギルマスはどれだけ落ち込んだだろうか。 「自分が間違っていたのは分かるんだけど、どこが間違っていたのかは分からなかった。 でも、今日分かったような気がする。僕は本質を見誤っていたんだ」 ギルマスは少し前を向いて続ける。 「人は善意だけでは生きていけない。彼らが毒を吐いたり、欲のために人をこき使うのは当たり前のことなんだ。 人は悪意だけでは生きていけない。だから彼らが我を通しあっても、最後に調和が取れるのは当たり前のことなんだ。 人は失望だけでは生きていけない。どんな場所でも、人は適応し、希望を持って生きているんだ」 「そりゃ、そうだよ。あたしにだって分かるもん」 人はいい面ばかりじゃないけど、悪い面ばかりでもないから最終的にはどっかでお互いに妥協する。 うん、当たり前のことだ。 「そうだよね。僕は何を勘違いしていたんだろう。 少し考えれば分かることなのに、僕はここを希望のない場所だと思うあまり本質を見落としたんだ。 そもそもここは工場や採掘と違って人が多くいるほど儲かるような場所じゃない。 嫌がる人を無理やり働かせるような場所じゃないってのに」 「結局のところ、よそ者がクチを出す必要なんてほとんどないんだよね」 「ジェンジェン翁は確かに悪人だけど、必要悪でもある。 ここにはアイゼンで締め出された人たちの受け皿なんだ。ここでしか生きていけない人たちもいる。 あの人はそれをわきまえて、善と悪との関係を知った上でここにいるんだ」 「……ねえ、ギルマス?」 「なに?」 「水を差して悪いけどさ、あのじーさんがアイゼンで虐げられた人を少しでも救うために宿をやってるなんてことは、 絶対、完璧に、一分も、かけらも、これっぽっちも、天地がひっくり返ってもないと思うよ?」 「そうだね。僕もあの人の寝室に使用人が簡単に出入りできるのは信頼してるからじゃなくて ガードマンだのを雇うお金を惜しむ単なるケチだからだと思う」 「……」 「……でも、ああいう人に限って『実力が全てだ』とかいってルシェを後継者にしそうだと思わない?」 「ええ、ないない!絶対ない!」 いくらなんでもそれは夢を見すぎだろう。 ここは遠慮なく笑わせてもらう。 「あはは、つくづくギルマスってロマンチストだよね」 「むう、言ってみるくらいはいいじゃないか……そんな事言うんなら、今夜はドーマ火山に 泊まるってことを君の口から皆に説明してもらおうかな」 「……は?」 え、ドーマ火山? 「ちょちょちょ待ってよ!ドーマ火山って……モンスターのうろつく場所で寝ようっての!?」 「あそこは暖かいし、泉もあるから問題なーし!さ、僕は先に行ってるから皆に説明よろしくね!」 「そんな、待ってよギルマス!!」 冗談じゃない、追い出される原因を作った張本人が言えるわけないじゃない!! あたしは必死でギルマスを追いかけ、走り出した。 ← 駆け出しローグの日記 ゼザにて
https://w.atwiki.jp/7d2020/pages/95.html
*女性M:ゆかな #contents *汎用台詞 link_up() |キャラクター登録時|| |勝利時|| |対ドラゴン戦|| |対帝竜戦|| |対ダイゴ・ネコ戦|| |イベント勝利時|| |レベルアップ時|| |パーティー加入|| |室内(初期)|| |室内(3章~)|| |料理|| |スカイラウンジ|| *サムライスキル link_up() |エグゾースト発動|| |通常攻撃|| |旋風巻き|| |金翅鳥王旋風|| |袈裟斬り|| |力閂オロシ|| |トンボ斬り|| |影無し|| |収刀の紡ぎ|| |崩し払い|| |モミジ討ち|| |フブキ討ち|| |不動居|| |風林重ね|| |十六手詰め|| |抜刀の紡ぎ|| |修羅の貫付け|| |刃下のリアクト|| |練気手当|| |赤化の呼気|| |黒鋼の呼気|| |丹田法の訓|| |乱れ散々桜|| *トリックスタースキル link_up() |エグゾースト発動|| |通常攻撃(ダガー)|| |通常攻撃(銃)|| |タランテラ|| |スコルピオ|| |ヴァンパイア|| |フルムーンヴァンプ|| |ベノムアンプリフ|| |アサシンアイズ|| |ベノムフェティシュ|| |ラッシュショット|| |エイミングショット|| |ダンシングバレット|| |ジャンプショット|| |ハイディング|| |ブッシュトラップ|| |チーターマン|| |アサシンズリアクト|| |エスケイプスタンス|| |サプライズハント|| |トリックハンド|| |サクリファイス|| |狂咲きバッドヘヴン|| *デストロイヤースキル link_up() |エグゾースト発動|| |通常攻撃|| |正拳突き|| |デストロイチャージ|| |ジャブ|| |ダブルフック|| |スピネイジブロウ|| |釣瓶マッハ|| |クインテッタ|| |ドリルクロウラー|| |迎撃スタンス|| |迎撃スタンス・重式|| |オトシ前上等!|| |牙折る也|| |爪砕く也|| |吹裂く也|| |凶転ず也|| |怒りの重爆|| |デストロイリアクト|| |先制デストロイ|| |瀕死のド根性|| |パリングシールド|| |スカイハイメテオ|| *サイキックスキル link_up() |エグゾースト発動|| |通常攻撃|| |フレイム|| |イフリートベーン|| |ヒートボディ|| |フリーズ|| |アイシクルエデン|| |ゼロ℃ボディ|| |エレキ|| |ボルトアヴェンジ|| |プラズマジェイル|| |デコイミラー|| |半径50mの支配者|| |マイクロバースト|| |マナフローター|| |コンセントレート|| |キュア|| |リカヴァ|| |リザレクション|| |デッドマンズリアクト|| |魔力の湧水|| |オートリカヴァ|| |黒のインヴェイジョン|| *ハッカースキル link_up() |エグゾースト発動|| |通常攻撃|| |アタックゲイン|| |ディフェンスゲイン|| |リジェネレーター|| |119ナノマシン|| |Bデータイレイザー|| |ファイアブレイク|| |アイスブレイク|| |Aスキルコーラー|| |ハッキングワン|| |ハッキングゼム|| |マッドストライフ.x|| |スケイプゴート.x|| |ロストパワー.x|| |バッドインバリッド|| |スリープオール|| |カースオール|| |ハッキングリアクト|| |リアクターチアー|| |クイックハック|| |サバゲーナレッジ|| |禁断の秘技||
https://w.atwiki.jp/7thdragon3/pages/19.html
+ 目次 概要 スキル一覧 スキル詳細 LIFEボーナス MANAボーナス 爆薬ボーナス クラップトラップ バーストアタック カーペットボム ドラゴンバスター スローイングスピア オーバースピア ラッシュスピア アサルトスピア コメットスピア アースクエイク 轟音 煙幕 爆薬散布 爆薬転換 エクスターミネート ウォークライ リロード オートリロード キリングリアクト 爆熱ランスドライバー 概要 巨大な槍と臼砲をあわせ持つ兵器「機甲槍」を扱う。 全職業中最大の物理攻撃力と最大のLIFEを持つ物理特化型の重装甲系戦士。 「爆薬」を消費して放つ攻撃は非常に強力だが、 使いすぎると補充が必要になるので使いどころを見極める必要がある。 サポート 1stユニット全員の物理防御力を使用したターンのみ上昇 バディ 敵の物理防御力ダウン スキル一覧 名称 解説 最大Lv 解禁条件 LIFEボーナス 最大LIFEにボーナスを得る 5 初期 MANAボーナス 最大MANAにボーナスを得る 5 初期 爆薬ボーナス 爆薬の初期数と最大所持数を4に増加 5 初期 クラップトラップ 【爆薬1】敵全体をランダムに5回炎属性攻撃+火傷付与 5 初期 バーストアタック 【爆薬1】敵単体に3回炎属性攻撃+火傷付与 5 初期 カーペットボム 【爆薬2】敵全体に炎大ダメージ 5 スキル開発Lv2 ドラゴンバスター 【爆薬5】敵全体に炎属性攻撃 対竜効果大+サイズダメージ 5 初期 スローイングスピア 敵単体に槍を投げ中ダメージ バラつきダメージ 5 初期 オーバースピア 敵単体にダメージ 低確率で即死効果発動 5 初期 ラッシュスピア 敵全体にランダム5回中ダメージ 5 スキル開発Lv2 アサルトスピア 【爆薬2】敵単体に突進し大ダメージ 5 初期 コメットスピア 【爆薬6】ジャンプし無作為の敵に中攻撃+対竜効果大 10 スキル開発Lv2 アースクエイク 【爆薬全】全体ダメージ 効果は消費爆薬量に応じる 10 スキル開発Lv2 轟音 【爆薬1】敵全体のATKとDEFを低下 最速発動 5 初期 煙幕 【爆薬1】敵全体に盲目効果 最速発動 5 初期 爆薬散布 味方の炎属性攻撃の効果を強化+火傷付与率アップ 5 初期 爆薬転換 3ターン中、炎ダメージを軽減し爆薬1に変換+最速 5 スキル開発Lv2 エクスターミネート 【自動発動】開始時、敵全体にランダム3回炎属性攻撃 5 初期 ウォークライ 【自動発動】開始時、自身のATKとDEFを上昇 5 初期 リロード 消費した爆薬を回復 3 初期 オートリロード 【自動発動】ターン終了時に確率で爆薬回復 1 スキル開発Lv2 キリングリアクト 敵を倒すと再行動 3 初期 爆熱ランスドライバー 【奥義】敵単体に炎属性の物理ダメージ+火傷を100%付与+自身の爆薬が最大まで回復 1 スキル詳細 LIFEボーナス 最大LIFEにボーナスを得る Lv 必要SP 性能 1 150 LIFE最大値↑ 2 550 LIFE最大値↑ 3 1500 LIFE最大値↑ 4 3000 LIFE最大値↑ 5 5500 LIFE最大値↑ MANAボーナス 最大MANAにボーナスを得る Lv 必要SP 性能 1 300 MANA最大値↑ 2 750 MANA最大値↑ 3 2000 MANA最大値↑ 4 4000 MANA最大値↑ 5 6000 MANA最大値↑ 爆薬ボーナス 爆薬の初期数と最大所持数を増加 Lv 必要SP 性能 1 500 スキル習得 2 1000 爆薬所持数4→5 3 2000 爆薬所持数5→6 4 4500 爆薬所持数6→7 5 9000 爆薬所持数7→9 クラップトラップ 消費爆薬:1 敵全体にランダムに5回、炎属性の物理ダメージ+火傷付与 Lv 必要SP 消費MN 性能 1 習得済 3 2 1500 3 ダメージ↑+火傷効果↑ 3 2500 3 ダメージ↑+火傷効果↑+攻撃回数5→6 4 3500 3 ダメージ↑+火傷効果↑ 5 5000 3 ダメージ↑+火傷効果↑+攻撃回数6→7 バーストアタック 消費爆薬:1 敵単体に3回、炎属性の物理ダメージ+火傷付与 Lv 必要SP 消費MN 性能 1 習得済 5 2 1500 5 ダメージ↑+火傷効果↑ 3 2500 5 ダメージ↑+火傷効果↑ 4 3500 5 ダメージ↑+火傷効果↑ 5 4500 5 ダメージ↑+火傷効果↑ カーペットボム 消費爆薬:2 敵全体に炎属性ダメージ Lv 必要SP 消費MN 性能 1 3000 6 スキル習得 2 5000 6 ダメージ↑ 3 7500 6 ダメージ↑ 4 9000 6 ダメージ↑ 5 9500 6 ダメージ↑ ドラゴンバスター 消費爆薬:5 敵全体に炎属性の物理ダメージ。ドラゴンには威力アップ。また、サイズに応じて威力アップ Lv 必要SP 消費MN 性能 1 2000 10 スキル習得 2 3000 11 ダメージ↑+対竜効果↑+MANA消費10→11 3 4000 12 ダメージ↑+対竜効果↑+MANA消費11→12 4 5000 13 ダメージ↑+対竜効果↑+MANA消費12→13 5 6000 15 ダメージ↑+対竜効果↑+MANA消費13→15+消費爆薬5→4 スローイングスピア 敵単体に物理ダメージ。ダメージのばらつきが大きい Lv 必要SP 消費MN 性能 1 習得済 4 2 1500 4 ダメージ↑+ばらつき幅↑ 3 2000 4 ダメージ↑+ばらつき幅↑ 4 2500 4 ダメージ↑+ばらつき幅↑ 5 3000 4 ダメージ↑+ばらつき幅↑ オーバースピア 敵単体に物理ダメージ+即死付与 Lv 必要SP 消費MN 性能 1 2000 6 スキル習得 2 2500 6 ダメージ↑+即死率↑ 3 3000 6 ダメージ↑+即死率↑ 4 4000 6 ダメージ↑+即死率↑ 5 5000 6 ダメージ↑+即死率↑ ラッシュスピア 敵全体にランダムに5回物理ダメージ Lv 必要SP 消費MN 性能 1 3000 10 スキル習得 2 4500 10 ダメージ↑ 3 6000 10 ダメージ↑ 4 7500 10 ダメージ↑ 5 8000 10 ダメージ↑ アサルトスピア 消費爆薬:2 敵単体に物理ダメージ Lv 必要SP 消費MN 性能 1 習得済 4 2 1500 4 ダメージ↑ 3 2500 4 ダメージ↑ 4 3500 4 ダメージ↑ 5 5000 4 ダメージ↑ コメットスピア 消費爆薬:6 敵単体に物理ダメージ。ドラゴンには威力アップ。 Lv 必要SP 消費MN 性能 1 2500 18 スキル習得 2 3500 18 ダメージ↑+対竜効果↑ 3 4500 18 ダメージ↑+対竜効果↑ 4 5500 18 ダメージ↑+対竜効果↑ 5 6000 18 ダメージ↑+対竜効果↑ 6 6500 18 ダメージ↑+対竜効果↑ 7 7000 18 ダメージ↑+対竜効果↑ 8 7500 18 ダメージ↑+対竜効果↑ 9 8000 18 ダメージ↑+対竜効果↑ 10 9500 18 ダメージ↑+対竜効果↑ アースクエイク 消費爆薬:全部 手持ちの爆薬を全て消費して、敵全体に物理ダメージ Lv 必要SP 消費MN 性能 1 2500 8 スキル習得 2 3500 8 ダメージ↑ 3 4000 8 ダメージ↑ 4 4500 8 ダメージ↑ 5 5000 8 ダメージ↑ 6 5500 8 ダメージ↑ 7 6500 9 ダメージ↑+MANA消費8→9 8 7500 9 ダメージ↑ 9 8500 10 ダメージ↑+MANA消費9→10 10 9500 10 ダメージ↑ 轟音 消費爆薬:1 最速行動。敵全体の物理攻撃力・物理防御力をダウン Lv 必要SP 消費MN 性能 1 習得済 1 2 500 1 敵ATK・DEF↓ 3 1500 1 敵ATK・DEF↓ 4 3500 1 敵ATK・DEF↓ 5 4500 1 敵ATK・DEF↓ 煙幕 消費爆薬:1 最速行動。敵全体に盲目付与 Lv 必要SP 消費MN 性能 1 習得済 3 2 500 3 盲目効果↑ 3 1500 3 盲目効果↑ 4 3500 3 盲目効果↑ 5 4500 3 盲目効果↑ 爆薬散布 消費爆薬:1 味方が行う炎属性攻撃のダメージと火傷付与率をアップ Lv 必要SP 消費MN 性能 1 習得済 3 2 500 3 ダメージ↑+火傷率↑ 3 1500 3 ダメージ↑+火傷率↑ 4 3500 3 ダメージ↑+火傷率↑ 5 4500 3 ダメージ↑+火傷率↑ 爆薬転換 最速行動。3ターン中、炎ダメージを軽減して爆薬1に変換する Lv 必要SP 消費MN 性能 1 1500 3 スキル習得 2 2000 3 発動率↑ 3 2500 3 発動率↑+補充爆薬数1→2 4 3000 3 発動率↑ 5 3500 3 発動率↑ エクスターミネート 自動発動スキル 戦闘開始時、一定確率で発動。敵全体にランダムに3回、炎属性の物理ダメージ Lv 必要SP 性能 1 2000 スキル習得 2 2500 ダメージ↑ 3 4500 ダメージ↑ 4 5500 ダメージ↑ 5 6500 ダメージ↑ ウォークライ 自動発動スキル 戦闘開始時、一定確率で発動。3ターンの間、自分の物理攻撃力・物理防御力をアップ Lv 必要SP 性能 1 1000 スキル習得 2 2000 ATK・DEF↑ 3 3000 ATK・DEF↑ 4 4500 ATK・DEF↑ 5 6000 ATK・DEF↑ リロード 消費した爆薬を回復 Lv 必要SP 消費MN 性能 1 習得済 2 2 2500 2 補充爆薬数2→3 3 4000 2 補充爆薬数3→4 オートリロード 自動発動スキル ターン終了時、一定確率で消費した爆薬を回復 Lv 必要SP 性能 1 6000 スキル習得 キリングリアクト 4ターンの間、敵を倒すと再行動できる Lv 必要SP 消費MN 性能 1 500 2 スキル習得 2 1000 2 ターン4→5 3 1500 2 ターン5→6 爆熱ランスドライバー EX専用奥義 敵単体に炎属性の物理ダメージ+火傷を100%付与。さらに自身の爆薬が最大まで回復 Lv 必要SP 消費MN 性能 1 9900 30 スキル習得